時系列は原作開始の1年前、転生者であるクレイジー音楽オタクが「喜多ちゃんが知らない音楽」を喜多ちゃんに教えていくことをベースとした青春ストーリーである。

オリ主となる和正(カズ君)と喜多ちゃんを視点...
(全文表示)

時系列は原作開始の1年前、転生者であるクレイジー音楽オタクが「喜多ちゃんが知らない音楽」を喜多ちゃんに教えていくことをベースとした青春ストーリーである。

オリ主となる和正(カズ君)と喜多ちゃんを視点にロックを通した人々との交流と結束バンドを結成していく上での葛藤を描いている。原作では深く語られないロックの知識に焦点を当てているため、リョウや虹夏、星歌といった背景としてロック有識者とされている人物の新たな側面の開拓が行われている。そのためキャラクターに厚みがある。
「喜多ちゃんが知らない音楽」として往年の洋ロックの名曲を引用しながら、それに奮い立たされる少年少女の情動が素晴らしい。

ロックンローラーはロックがないと何も語れない！

▼読む際の注意事項など
引用されている洋ロックを聴くとよりロックの世界に引き込まれる作品となっているため、手の届く範囲に音楽を流せる機器を用意しておくのをおすすめする。
「あなたも洋ロックの沼に落ちてみませんか？」

「きらら」にて多いガールズ・ラブの要素をぼっち・ざ・ろっくに求めている場合にはその期待にそぐわない作品である。またオリ主は男性であり恋愛要素も含むため、より警鐘を鳴らしておく。

高校入学前に事故に遭い記憶障害となって一ヶ月半が経過した後藤ひとりの物語。
第一話は虹夏達に出会った翌日から始まるのだが、その事が記してある日記を読むシーンが本当に素晴らしい。
バンドを組んで演奏をし...
(全文表示)

高校入学前に事故に遭い記憶障害となって一ヶ月半が経過した後藤ひとりの物語。
第一話は虹夏達に出会った翌日から始まるのだが、その事が記してある日記を読むシーンが本当に素晴らしい。
バンドを組んで演奏をした。その最高の思い出も明日になれば何も覚えていない。だが何とかして覚えていたい、今後も虹夏達とバンドをしたいという苦悩が伝わってくる。
ぼっちの内面の描写がとても上手く引き込まれる作品になっています。
▼読む際の注意事項など
とにかくひとりが可哀想なのでそういうのが苦手な方は読むのがきついかもしれない。だけど感動する話なので是非読んでいただきたい。