推薦作品:ポケモン二次創作短編集 原作:原作:ポケットモンスター
街や道路で出会ってバトルをするか一言二言話して通り過ぎて、後は殿堂入り後ですらも会うこともないであろう、主人公以外のポケモン世界の一般人達の日々や想いをカードのごとく描いていく。プレイしていて気にも... (全文表示)
街や道路で出会ってバトルをするか一言二言話して通り過ぎて、後は殿堂入り後ですらも会うこともないであろう、主人公以外のポケモン世界の一般人達の日々や想いをカードのごとく描いていく。プレイしていて気にもとめないか、ほとんど記憶にないであろうモブキャラの日常に着眼して、深くかつ本来の設定と破綻無く文章を書き上げていく発想力には脱帽する。悪の組織や伝説のポケモンが跋扈していてもなお、普通の人達は夢や悩みに向かって日々を紡ぎ、ポケモンたちと物語を描いていく。そんなゲームとは違うポケモンという「生きた世界」を感じたいなら、この小説はおすすめできると言える。▼読む際の注意事項など短編集なので気にならないだろうが、更新がほぼ一年前でおそらく今後の更新は見込めないであろう点が惜しい。
推薦:トロハマチ 評価:☆ (参考になった:4/ならなかった:0)
推薦作品:迷宮クズたわけ 原作:原作:ウィザードリィ
名作RPG「wizardry」をモデルにした死に戻り系迷宮探索小説。というか作中で出てくる敵は概ねwizardryのまんまである。理不尽難易度の迷宮を内心で罵倒しながら踏破していく様は、wizardr... (全文表示)
名作RPG「wizardry」をモデルにした死に戻り系迷宮探索小説。というか作中で出てくる敵は概ねwizardryのまんまである。理不尽難易度の迷宮を内心で罵倒しながら踏破していく様は、wizardryの初プレイ時の体験を思い出させる。初期パーティーに司祭を入れるな。語り手である盗賊の語り口や登場人物との関わり合いなどがタンパクであっさりしているのも相まって、昔のRPGってこんなだったよな、という感覚にさせてくれる。本作だと死んで戻るのは死ぬ直前時点なのでどちらかというとクイックセーブみたいな感じだが。またリアリティを増すような描写もしっかりされている。盗賊の鍵開けやクリティカルに対して「体外の状態を感じ取る領域」というかなり面白い設定で説明したり、睡眠魔法の脅威が知れ渡っていたりと世界設定もあり退屈させない。それでいてそれらは軽く触れる程度であくまでメインは探索・戦闘描写であるというバランスもちょうどいい。タイトルの元ネタと思しき作品の最序盤の雰囲気が30話までずっと続いていく様相。こういうのが欲しかった。死に戻りする主人公は盗賊という職業についているだけあって口が悪く悪人を自称してるが、表立って仲間と対立とか強さに明かして悪行三昧とかしないため読んでても不快感は全くない。元ゲーム的にいえばEではなくN。あんたほんとはいい人だろ。初めは罵倒していた仲間に対する思いや印象なども話が進むにつれ変化していくのが読んでいて微笑ましい。また仲間たちのキャラクターも一人除いて結構変化があり、描写されなかった冒険の合間を匂わせてくるのが憎い。詳細な描写がないからこその楽しみがある。RPGの醍醐味である「想像」の楽しさが味わえる名作。▼読む際の注意事項など上でも書いたが描写が相当あっさりしている。登場人物たちの心理描写とか心の触れ合いとかは描かれないため、そういうものを期待して読むと肩透かしを食らうかもしれない。また死に戻り系にありがちな「自分が死んだあとの世界も続いていて~」だとか「死に戻りの秘密を仲間に打ち明けて~」だとかいう展開も一切ない。この作品では単に死に戻りは手段の一つに過ぎないため変な期待はなされないように。また作中で何度か詰みセーブじみた連続死にポイントが何度かでてくるが、途中の内容はバッサリカットされる。死んでリセしたらセーブに残らないから仕方ないね。作品名が「名前で損してる」といわれる作品のパロディだったり作者名がド下ネタだったり30話中22話を1日で投稿していたりと伸びない要素満載だが、忌避せずぜひ読んでもらいたい。完結済みかつそこまで長くもないのでサラッと読める。
推薦:eudaimonia36 評価:★ (参考になった:5/ならなかった:1)
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