推薦作品:キャスタウェイ 原作:原作:機動戦士ガンダム
宇宙世紀のガンダムと言えば派手なドンパチ描写が目立つが、この作品「キャスタウェイ」ではその要素は濃くはない。一年戦争によって人生の歯車を狂わされた男と女を主人公にして、なかなかヘヴィな話が展開され... (全文表示)
宇宙世紀のガンダムと言えば派手なドンパチ描写が目立つが、この作品「キャスタウェイ」ではその要素は濃くはない。一年戦争によって人生の歯車を狂わされた男と女を主人公にして、なかなかヘヴィな話が展開されるが、程よい重さがあって読みごたえはバッチリだ。MS戦闘のシーンも丁寧に描かれており迫力満点である。そして、この作品のタイトルの回収がまた良い。キャスタウェイ(漂流)。ティターンズとエゥーゴに分かれ、戦い合っていた者達がひょんなことから、宇宙空間を漂うことになり、命を繋ごうと必死に模索するストーリーだ。宇宙戦争の片隅で起きた、小さな事件。その中でもがく二人のストーリーを是非とも見てほしい。▼読む際の注意事項などちょっとだけエッチなところがあるので、そこは注意です。
推薦:アラタナナナシ 評価:★ (参考になった:9/ならなかった:0)
推薦作品:ウーイッグのカテジナ・ルース 原作:原作:機動戦士Vガンダム
Vガンダムの後日談。戦後、登場人物がいかに生きていくのかを描いた作品。短い文章を細かく連ねていく文体であるため、小説としては変わった形です。しかし文章や登場人物のセリフ回しなどは冨野由悠季作品を彷... (全文表示)
Vガンダムの後日談。戦後、登場人物がいかに生きていくのかを描いた作品。短い文章を細かく連ねていく文体であるため、小説としては変わった形です。しかし文章や登場人物のセリフ回しなどは冨野由悠季作品を彷彿とさせるもので、ガンダム小説としての雰囲気は非常に強い。 題名にあるようにカテジナ・ルースを主役に据えた作品で、戦後偶然にも生き残った彼女がいかにして救われるのかを描いている。 そこにあるのは、彼女は救われるべきであるという確固とした作者の意志であり、それは単に一キャラクターとして救われるべきだというのではなく、かの戦争を、そして全ての戦争を生き延びた人は、等しく救われねばならないという作者の信念です。被害者・加害者というのは相対的な立場でしかなく、生き残った者はみんなが戦災を被った者なのだから。 だからこそ、カテジナ・ルースもまた救われなくてはならないのだ。それこそが戦争を終わらせる事の本当の意味なのだと、この作品には描かれている。 そして人が救われるには人の助けが必要なのだと、助ける人もまた救われるのだと、そうして人が人を救っていく事が戦後を生きる事なのだと、静かにそして力強く訴えている。 もしかしたら、これこそがガンダムで描かれるべき世界なのではないか、そんな事さえ考えさせられる作品。▼読む際の注意事項など カテジナさんに対する過度な思い入れのある人には、多分向かないだろう作品。
推薦:nanako 評価:★ (参考になった:9/ならなかった:3)
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