男の娘なオリジナル主人公が登場しますが、単なる記号としての男の娘ではなく、男の娘要素を前面に押し出してくる感じでもありません。
背景まで含めてよく練り込まれた、血の通ったオリジナル主人公が、秀知院学...
(全文表示)

男の娘なオリジナル主人公が登場しますが、単なる記号としての男の娘ではなく、男の娘要素を前面に押し出してくる感じでもありません。
背景まで含めてよく練り込まれた、血の通ったオリジナル主人公が、秀知院学園生徒会の面々と関わる中で変化し、成長していきます。

原作キャラ達との関係性がある程度できあがっている上で物語がスタートするパターンではなく、オリジナル主人公と原作キャラとの出会いから丁寧に話は始まります。

設定が練られているからこそできると感じる伏線の適切な設置と回収が随所に見られ、構成力の高さに唸らされます。
また、キャラづけに一貫性のある丁寧な描写の積み重ねがなされており、展開に唐突さを感じることがなく、キャラの行動や心情の変化に説得力があります。

原作キャラがオリジナル主人公の人生を変化させ、成長したオリジナル主人公が今度は原作キャラの新たな一面を引き出す。
そういった人間関係の相互作用の中で、ギャグあり、ラブあり、シリアスあり、原作のクオリティに勝るとも劣らない新しい物語が紡がれていきます。

総じて原作リスペクトとオリジナル要素とのバランスが良く、文章の量・質ともに優れている、かぐや様ファンならば是非一度読んで欲しい珠玉の逸品です。

▼読む際の注意事項など

糖分過多にご注意下さい。

この作品は、女主人公の従者【早坂愛】の物語です。
彼女は様々な仮面を付け替えて主人の為と奔走します。
ある時は学校で生徒会室に入らせないように図らったり
ある時は校外で想い人に虫がつかないように画策し...
(全文表示)

この作品は、女主人公の従者【早坂愛】の物語です。
彼女は様々な仮面を付け替えて主人の為と奔走します。
ある時は学校で生徒会室に入らせないように図らったり
ある時は校外で想い人に虫がつかないように画策したり
ある時は屋敷で校内での主従関係がバレないように動いたり
全ては主人の我儘を叶える為に動いています。

ですが、彼女も等身大の女子高生であって、たまに本音がポロッ出たりします。
青春だってしたいのです、甘酸っぱいものだってしたいのです。
多少は報われてもいいと思いませんか。

これは【早坂愛の本音をぶつける】物語。