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推薦作品:大魔道、マイラに参る 原作:原作:ドラゴンクエスト
さる2021年5月27日に、35周年を迎えたドラゴンクエストシリーズその原点こそが、1986年の5月27日に発売されたドラゴンクエスト(ドラクエ1)でした。ドラクエ1は、昨今のゲームと比べればグラ... (全文表示)
さる2021年5月27日に、35周年を迎えたドラゴンクエストシリーズその原点こそが、1986年の5月27日に発売されたドラゴンクエスト(ドラクエ1)でした。ドラクエ1は、昨今のゲームと比べればグラフィックやシステムは単純であったかもしれませんが、そこには確実に記憶に残る冒険があったからこそ、度々リメイクされ、愛され続けてきたのでしょう。この短編作品は、そんなドラクエ1の世界であり得たかもしれない一幕を描く物語のんびりとした空気が流れつつも、ひねりの効いた物語は、読むとドラクエ1の情景がよみがえります。あのドラクエ1の世界が好きだった人は、是非読んでみてください。▼読む際の注意事項などドラクエ1のプレイ経験が必須です。
推薦:tubuyaki 評価:☆ (参考になった:4/ならなかった:0)
推薦作品:新訳 そして伝説へ・・・ 原作:原作:ドラゴンクエスト
ドラゴンクエストⅢの二次創作。勇者を主人公として世界を旅して人々を救い、魔王を倒す過程を描く。 どちらかといえば全体的に『重い』雰囲気の物語ではあるが、(主に四人目の仲間のおかげで)適所に息抜きの... (全文表示)
ドラゴンクエストⅢの二次創作。勇者を主人公として世界を旅して人々を救い、魔王を倒す過程を描く。 どちらかといえば全体的に『重い』雰囲気の物語ではあるが、(主に四人目の仲間のおかげで)適所に息抜きのようにほのぼのとしたキャラのやり取りが挿入されていて、結果としてメリハリのある『重厚感』あるストーリーに仕上がっていると言える。 一番の見どころはレビュータイトルに書いたように登場人物たちの成長だろう。 心に影があり人を信じない勇者、頑なで考えごとの苦手な戦士、教会の教えを信じ勇者の思想を拒絶する僧侶、そして強大な魔力を持ちながら心身ともに幼い魔法使い。 最初は事あるごとに衝突していた彼らがほんの少しずつ歩み寄り、お互いの考えに同調しないまでも理解をしていく。支え合うというには少々不器用で不格好な彼らだが、ときに旅中の経験により自身の根源的な思想が否定されても前を向けるだけの強さや絆を持つこととなる。その過程が上手く描かれていて、読者はキャラの成長を実感するとともに、どんどんと惹き込まれていくことだろう。 キャラの中でも特筆すべきは、幼い魔法使いの扱いについて。 彼女は、よくありがちなやけに物分かりがよかったり無邪気なだけだったり変に精神年齢の高い「なんちゃって幼女」ではなく、いい意味で「リアルな幼女」だ。 子どもらしく何度も過ちを犯すし、怒られれば落ち込むし、若干控えめながら我儘を言うし、時々言うことを聞かないし、勝手に行動するし、自分の意見が通らなければ拗ねるし、仲間同士が争っていると泣きそうになるし、良くも悪くも物事を純粋に見ている。 彼女に対する他の仲間の対応も大人としてしっかりしており、頭ごなしに『怒る』のではなく、諭すように『叱る』ことができているのもポイントだろう。 ……他のキャラについても個別に語りたいが、そうすると長くなりすぎるので涙を飲んで割愛させていただく。 次に、設定もゲーム内のものとリアル性を上手い具合にすり合わせできている。 大まかなストーリーとしてはゲーム原作の流れとほぼ同じように進行していくが、それぞれの国としての立場やそこに住む民たちの思想などの描写を勇者一行の思想と絡めることにより、ストーリーに厚みを持たせることに成功している。 呪文や魔物の強さなどについての調整も絶妙で、シビアで緊迫感のある熱い戦闘をも演出できている。 難点を挙げるなら、二次創作小説に軽快さや爽快感を求めている人には敬遠されがちということだろう。敵をズバズバと蹂躙する派手さなどとは無縁だし、描写は濃くも薄くもなく程よいとは思うが、雰囲気に引きずられて重く感じてしまう人もいるかもしれない。 そんな人にも是非一度、このレビューに少しでも興味を持ってくれたならばご覧いただきたいと思う。 いつの間にか登場人物たちに感情移入し、物語にのめり込んでいるはずだ。
推薦:祐茂 評価:★ (参考になった:51/ならなかった:6)
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