推薦作品:「君の長所は、私を愛してることだよ」 原作:原作:結城友奈は勇者である
何も持たない、何にも選ばれなかった少年が、たった一人の少女の為だけに闇へと堕ちる。他人を傷つけて、陥れて、自分も傷つけて、血反吐を吐いて、大切なものの為だけに。ただ、最愛の為ならば終わった世界... (全文表示)
何も持たない、何にも選ばれなかった少年が、たった一人の少女の為だけに闇へと堕ちる。他人を傷つけて、陥れて、自分も傷つけて、血反吐を吐いて、大切なものの為だけに。ただ、最愛の為ならば終わった世界ですら敵に回し、その叛逆の拳を天へと突き立てよう。足掻いて足掻いて、その度に傷ついて、さらに闇へと転がり落ちても。敵は世界、神、世界の運営者、そして光の勇者。70億が死に、一握りだけの人間が生き永らえ、天の神から見逃された世界で絶望に抗う夜の戦い。それは本来ただのロスタイム。世界の終わりに吹いた風の残滓。いつか、花咲く勇気が無限となって救われる世界。彼は闇の者。従えるのは七つの闇。その手にするのも闇の力。善ではなく、悪。たった一人だけを想う愛が、あらゆる正義を反転し、悪逆を為す。邪悪のリュウが、闇を抱いたその先は――――――。▼読む際の注意事項などウルトラマンオーブ×結城友奈シリーズ派生作品多めなゆゆゆ系列の中でもアプリ初出キャラのお話になります。と言っても私自身、どちらも未読、未視聴ですが大変楽しめました。また作者のルシエド氏によるウルトラマン×ゆゆゆシリーズの三部作目になっており、そちらを読んでおくとエモさが大量爆発ですが、本作単体でも十分楽しめるかと思われます。原作知識がゼロでも楽しめる、でも原作知識、ウルトラマンやゆゆゆの要素、挿入歌、主題歌知識があればさらに楽しめるという非常に完成度の高い作品です。重い展開が少なからずあることは否めないので、腰を据えて読むことをおすすめします。が、その重い展開があるからこそ、より良いカタルシスが生まれるかと。
推薦:柳之助@電撃銀賞5月10日発売予定 評価:★ (参考になった:21/ならなかった:6)
推薦作品:夏空の下、ウルトラマンは、友をいじめた子供達を虐殺した 原作:原作:結城友奈は勇者である
悲しみの中に沈む少女がいた。 怒りに身を委ねる少女がいた。 人との関わりに臆病な少女がいた。 あるがままに笑う少女がいた。 変わりたいと願う少女がいた。 一人日常の中で待つ少女がいた。... (全文表示)
悲しみの中に沈む少女がいた。 怒りに身を委ねる少女がいた。 人との関わりに臆病な少女がいた。 あるがままに笑う少女がいた。 変わりたいと願う少女がいた。 一人日常の中で待つ少女がいた。 未来を守る光の巨人たちがいた。 そしてーーー『悲しんでいるあなたを愛する』少年がいた。 闇とは、光とはなんなのか。罪人はやり直すことはできないのか。勇気とは、なんなのか。 人は誰しも闇を持つ。醜悪で、直視したくない当たり前の愚かしさ。 それを否定することは、『光』しか抱かないということは正しいのか。 答えは未だ出ず、けれども少年は前を向く。これ以上不当に傷つけられる人を見たくないから。 ーーーそして戦いの果てに、闇に堕ちた少年は『勇気』を得た。▼読む際の注意事項などタイトルからわかるように『ウルトラシリーズ』と、『結城友奈は勇者である』その展開作品の一つ『乃木若葉は勇者である』のクロスオーバー作品となります。作者はルシエドさん。主人公に大変ハードな試練を与えることで定評のある方ですね……。それに加えてこの作品の特徴は『人間がリアル』である、という点です。この作品に登場する『名もなきその他大勢』ーーー言ってしまえばモブたちはどこまでも『リアル』に描かれます。『他の人が悪いと言っているから人を傷つける』、『ネットで他人の悪口を言う』、『自分に正義があると信じて疑わない』、おそらく、誰もが他人事ではないはず。それが残酷なまでに生々しく描かれます。都合のいいことだけではない。頑張っても認められるわけではない。けれど、不思議なことに、この作品からは「それだけが人間の全てではない」と、そう教えられます。程よく他人に厳しいところも、程よく他人に優しいところもある人もいる。極端な悪人も、極端な善人もいない。それが『人間』なんだと伝わってきます。そして、自分も他人を思える人でありたいと、そう思える。次に、原作キャラとの関係が個々に特別な関係を気づいていく関係が魅力的です。ラブコメのようにニマニマすることもあるし、互いの信頼関係にかっこいいな、と思ったり、この二人は変わらないなぁ、とため息をついたり。彼女らの心の揺れに思わず涙を流したり。彼ら彼女らの年相応の関係性は見ていて飽きないように描かれています。最後に、主人公がめっちゃかっこいい!!!!!!!!たぶん小さな頃に憧れていた大人とか、ヒーローがいた人も多いでしょう。でも大きくなるうちに、ああはなれない、と諦めてしまう。目をそらしてしまう。でも、この作品の主人公が仲間との関わりの中で、誰よりも強く、そして誰よりも優しく変わっていく姿は、いつのまにか目をそらしていた憧れていた人の背中を見せられているようで、いつのまにか彼のことが大好きになっていました。この作品には辛いところも多いです。失ったものも、もう戻らないものも本当に多い。けれど、最後まで読んだ時、絶対に『この作品を読んで良かった』と思えるはずです。だって、この物語には泣きたくなるほどの『優しさ』が溢れているから。
推薦:世嗣 評価:★ (参考になった:17/ならなかった:3)
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