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推薦作品:モンスターハンター Re:ストーリーズ【完結】 原作:原作:モンスターハンター
この作品を読んでいる、あるいは読まんとする人の多くは、ゲーム「モンスターハンター」のプレイヤーであると思う。このゲームは「狩り」が全てである以上、いつ何時でもモンスターを狩ることができる。概念は示唆... (全文表示)
この作品を読んでいる、あるいは読まんとする人の多くは、ゲーム「モンスターハンター」のプレイヤーであると思う。このゲームは「狩り」が全てである以上、いつ何時でもモンスターを狩ることができる。概念は示唆されていたとしても、絶滅だとか狩猟規制だとか、そんなことは起こりえないし、実際に狩っているわけでもないから命の重みを考えることなどほとんどない。だが、本来そこには生命がある。それぞれが1つの命を持ち、自然の摂理があり、親子愛のような情念がある。私たちがなんのためらいもなくモンスターを狩ることができていたのは、「ゲームだから」という言葉の裏に密かに隠された「本当の命ではないから」という気持ちがあるからに違いない(無論、万人がそうとは限らないが)。だが、少しでも「モンスターハンター」という作品の世界に没入したいと思うのなら、「狩って当然」、「狩ることが当たり前」という考えに少しでも違和感を覚えたことがあるのなら。一度、この作品を読み、主人公の少女の選択を知ってほしい。私たちがゲームをプレイしている時にはほとんど全く考えないであろう選択をした少女の歩みを見てほしい。命を重んじ、果てはモンスターとすら絆を結ぶことを願う少女の行く先を見、多くの人と関わり、師として共に歩むことになる青年と紡ぐ物語を読み進めた時。きっとあなたの心には、それまでになかった「思い」が生まれていると、私はそう思う。▼読む際の注意事項などあらすじに「竜と絆の物語」とあるように、モンスターハンターを原作とする作品としては「狩る」描写は決して多くありません。躍動感のある狩猟の描写だけを求める方にはいまいち合わないと思いますし、人とモンスターが馴れ合うこと自体に違和感を感じる方にも合わないかもしれません。また、MHST、つまりモンスターハンターストーリーズのタグが存在しますが、MHSTがメインの作品ではありませんのでご注意を。最後に、作者の皇我リキ氏は他にもモンスターハンター作品を書いていらっしゃる方で、当作品内には氏の他作品からのキャラクターも登場します。ですので、より深く読みたいと思う方は「とあるギルドナイトの陳謝」など、他の作品も読んでみることをお勧めします。
推薦:ゾディス 評価:★ (参考になった:16/ならなかった:2)
推薦作品:まる子、戦争にいく。 原作:原作:ちびまる子ちゃん
ちびまる子といえば、日常を代表するような作品の一つです。そんな作品と戦争を絡めた話なんて、一見ただの悪ふざけに見えるでしょうし、実際、その手の作品は二次創作にまま見られるものです。キャラクターをサ... (全文表示)
ちびまる子といえば、日常を代表するような作品の一つです。そんな作品と戦争を絡めた話なんて、一見ただの悪ふざけに見えるでしょうし、実際、その手の作品は二次創作にまま見られるものです。キャラクターをサイコパス化させ、本来なら『あり得ないこと』を行わせる。そこで生まれる原作との落差を面白がらせようとする。しかし、この作品は違います。日常を生きていたまる子たちが、性格はそのままに、非日常である戦争の中へ置かれ、悪夢のような世界に沈み込んでいく。この作品の場合、物語の中の彼女らがまさしく日常の中の人物であると皆知っていればこそ、読者は彼女らが置かれる境遇をより身近に感じ、考え込ませられるのです。▼読む際の注意事項など内容的には、まったくのシリアスですし、残虐な描写が多く登場します。快活な作品ではなく問題作であり、あまり適切な例えではないかもしれませんが、ジブリでいう『火垂るの墓』のような、見る者に心構えを必要とさせる作品です。
推薦:tubuyaki 評価:★ (参考になった:27/ならなかった:6)
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