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推薦作品:ゴジラ vs 大仏 原作:原作:シン・ゴジラ
この夏、異例の大ヒットを記録し日本特撮の新境地を拓いた超大作「シン・ゴジラ」は、日本のゴジラ映画としては1954年公開の「ゴジラ」(いわゆる初代ゴジラ)を除けば、ゴジラはおろか怪獣というものが存在し... (全文表示)
この夏、異例の大ヒットを記録し日本特撮の新境地を拓いた超大作「シン・ゴジラ」は、日本のゴジラ映画としては1954年公開の「ゴジラ」(いわゆる初代ゴジラ)を除けば、ゴジラはおろか怪獣というものが存在しない現実の日本を舞台とした初の作品である。日本とゴジラの戦いを描いた映画といえば1984年公開の「ゴジラ」(いわゆる84ゴジラ)が挙げられるが、それとて1954年のゴジラ上陸を経験した世界が舞台であり、よってゴジラ対策として実力部隊の配備や法整備などがある程度進められていて、いざゴジラが出現したとき、だれもが迷いもなく「ゴジラだ」と認識できているという点で、われわれの世界とは似て非なるある種のファンタジーであるともいえる。しかし、「シン・ゴジラ」ではそれまでゴジラもほかの怪獣も現実には存在しなかった世界へ、突如としてゴジラという虚構が現れる。巨大不明生物との対峙という日本史上どころか人類史上初の危機に1億の日本人が総力戦を挑む、それが「シン・ゴジラ」である。さて、そのゴジラが現れたのが現代ではなく、聖武天皇の治める奈良時代であったなら、という、なんとも突拍子もない設定がなされているのが本作だ。さすがの庵野総監督も予想できなかったろう。武器といえば弓矢や刀剣しかない時代に海より上陸し破壊のかぎりをつくすゴジラに天皇がとった対抗手段、それは、大きな仏像、すなわち大仏を建立し、もってゴジラと戦わせ撃退することであった。ゴジラと大仏、すなわち神と仏の人智を超えた戦いが幕を開ける。ここだけ見るとおバカな作品に見えるかもしれない。しかし、時代背景を汲んだ筆致は見事のひとことであり、読んでいるうち自分が古文書かなにかをひもといているようななにやら怪しい感覚にとりつかれてしまう。しかも、登場人物は皆が皆、その時代で生まれ育った人間であり、二次創作でありがちな、現代から転生や転移や憑依したキャラクターなど存在しないため、ゴジラなる巨大生物を例外なく見たこともないし知識もないのだ。原作のカヨコにあたる登場人物はゴジラの存在と名を知っているが、それはやはりカヨコ同様、彼女の地位と立場によって知りえた情報であって、第4の壁をいたずらに壊してしまうようなことはない。つまり、恐ろしいことに、これだけシュールな設定でありながら、本作にはツッコミ役が存在しないのである。全員がいたって真剣に大仏をゴジラと戦わせようとしている。これが最善の手段だと信じきっている。こんな作品が出てくるなんて「まったく想定外だ」なのである。▼読む際の注意事項など昔々、カムイ伝という漫画に、時代劇であるにもかかわらず「ドル箱」とか「千載一遇のチャンス」とかいう台詞があったが、本作にもときおり横文字が登場する。そういえば水戸黄門でも「八兵衛、またサボっとるな!」と黄門様が怒鳴っていた。カムイ伝や水戸黄門の場合は単なるミスであろうが、本作ではだいぶ恣意的である。そこはそれとご容赦いただきたい。だって、どう見てもエヴァがモデルなんだから、発進するときは「リフト・オフ!」って言いたいだろう。そういう作品である。
推薦:蚕豆かいこ 評価:★ (参考になった:134/ならなかった:9)
推薦作品:千雨からロマンス 原作:原作:魔法先生ネギま!
魔改造千雨それは古くから続く魔改造シリーズの金字塔。魔法使いから魔術師、超能力者、紙使い、九尾の狐などなど作者によって長谷川千雨は姿を変えて行った。詳しくは桂樹緑さんのブログ『桂樹通信』の千... (全文表示)
魔改造千雨それは古くから続く魔改造シリーズの金字塔。魔法使いから魔術師、超能力者、紙使い、九尾の狐などなど作者によって長谷川千雨は姿を変えて行った。詳しくは桂樹緑さんのブログ『桂樹通信』の千雨魔改造SSリストを見てみると良い。そんな千雨魔改造作品の中でも異色の作品がこの『千雨からロマンス』である。他の魔改造千雨シリーズは何かしらの力を持っており、その力を使って原作に介入しバトルしたりするのだがこの作品はまず戦わない。すべてマッサージの力によって解決するのである。詳しい事はネタバレになるので言えないがマッサージは世界を救うのだ。本当に。そしてそのマッサージがチートである。本当にチートである。ツボの声が聞こえるってだけで凄いのだがそれに施すマッサージテクニックが自分達の知るマッサージではないのだ。まさしく魔改造である。そしてこの作品は他の大多数の千雨魔改造シリーズと違いArcadiaの方で完結してあるのだ。ここが他との一番の違いであるだろう。尚且つ、外伝という形で続きを書いてくれるファンサービスも備わっており大変素晴らしい。この作品は『親指からロマンス』とのクロスオーバー作品であるのだがクロス先の原作を知らなくても楽しめる作品である。この小説を読むとクロス先の『親指からロマンス』が読みたくなるだろう。それぐらい魅力的な作品だ。ぜひ一読して欲しい作品である。そして再び魔改造千雨ブームが来ることを著者は願って。
推薦:ミキマル 評価:★ (参考になった:39/ならなかった:5)
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