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推薦作品:星降る空より来たるもの 原作:原作:ポケットモンスター
西暦2300年、第三次世界大戦が勃発した。分厚い放射性物質の雲で覆われ、家屋を燃やす炎により赤く染まった空、多種多様な生物は大勢死滅し、かつて水の惑星と呼ばれた星は地獄と化した。しかし、それでも... (全文表示)
西暦2300年、第三次世界大戦が勃発した。分厚い放射性物質の雲で覆われ、家屋を燃やす炎により赤く染まった空、多種多様な生物は大勢死滅し、かつて水の惑星と呼ばれた星は地獄と化した。しかし、それでも生き残った生物はいた。人間だ。第二次世界大戦以後に計画された巨大宇宙ステーション並びに宇宙探索船団プロジェクト。秘密裏に動いていた機関によって人類は生き延びていた。彼等の目的は、かつての美しい地球を取り戻すための装置を開発する事。だがその装置には様々な資源が必要である。地球に戻れない宇宙船には資源を大量に確保する手段は無い。人が生きるための水と植物、機械を作り上げる上で大切な鉱物と火、そしてそれを動かす電力。何を取っても不足する事態に陥った人間は一つの考えに至った。『そうだ、生物自身が資源になってしまえば──!』▼読む際の注意事項など『ミュウツーの逆襲』というポケモンの映画を皆さんは知っていますか?私は母と一緒に観に行き、ポケモンなんて全然知らなかった母が隣で静かに泣いていたのを覚えています。「誰が生めと頼んだ? 誰が作ってくれと願った?私は私を生んだ全てを恨む。だからこれは、攻撃でもなく宣戦布告でもなく、私を生んだお前達への、逆襲だ。」これはミュウツーという人間によって戦闘用に作られたポケモンが劇中に放った一言です。この小説ではポケモンを作り上げた研究員側の立場からでしかポケモンを見ていませんが、はたしてポケモンからみた研究員はどうだったのでしょうか? そこが注意点だと思います。作者さんが初代アニポケとポケGOしか知らないというのも注意点です。アルセウスとかそういう細かいところは気にしてはいけない。
推薦:まだはげ 評価:★ (参考になった:24/ならなかった:3)
推薦作品:ゴジラ vs 大仏 原作:原作:シン・ゴジラ
この夏、異例の大ヒットを記録し日本特撮の新境地を拓いた超大作「シン・ゴジラ」は、日本のゴジラ映画としては1954年公開の「ゴジラ」(いわゆる初代ゴジラ)を除けば、ゴジラはおろか怪獣というものが存在し... (全文表示)
この夏、異例の大ヒットを記録し日本特撮の新境地を拓いた超大作「シン・ゴジラ」は、日本のゴジラ映画としては1954年公開の「ゴジラ」(いわゆる初代ゴジラ)を除けば、ゴジラはおろか怪獣というものが存在しない現実の日本を舞台とした初の作品である。日本とゴジラの戦いを描いた映画といえば1984年公開の「ゴジラ」(いわゆる84ゴジラ)が挙げられるが、それとて1954年のゴジラ上陸を経験した世界が舞台であり、よってゴジラ対策として実力部隊の配備や法整備などがある程度進められていて、いざゴジラが出現したとき、だれもが迷いもなく「ゴジラだ」と認識できているという点で、われわれの世界とは似て非なるある種のファンタジーであるともいえる。しかし、「シン・ゴジラ」ではそれまでゴジラもほかの怪獣も現実には存在しなかった世界へ、突如としてゴジラという虚構が現れる。巨大不明生物との対峙という日本史上どころか人類史上初の危機に1億の日本人が総力戦を挑む、それが「シン・ゴジラ」である。さて、そのゴジラが現れたのが現代ではなく、聖武天皇の治める奈良時代であったなら、という、なんとも突拍子もない設定がなされているのが本作だ。さすがの庵野総監督も予想できなかったろう。武器といえば弓矢や刀剣しかない時代に海より上陸し破壊のかぎりをつくすゴジラに天皇がとった対抗手段、それは、大きな仏像、すなわち大仏を建立し、もってゴジラと戦わせ撃退することであった。ゴジラと大仏、すなわち神と仏の人智を超えた戦いが幕を開ける。ここだけ見るとおバカな作品に見えるかもしれない。しかし、時代背景を汲んだ筆致は見事のひとことであり、読んでいるうち自分が古文書かなにかをひもといているようななにやら怪しい感覚にとりつかれてしまう。しかも、登場人物は皆が皆、その時代で生まれ育った人間であり、二次創作でありがちな、現代から転生や転移や憑依したキャラクターなど存在しないため、ゴジラなる巨大生物を例外なく見たこともないし知識もないのだ。原作のカヨコにあたる登場人物はゴジラの存在と名を知っているが、それはやはりカヨコ同様、彼女の地位と立場によって知りえた情報であって、第4の壁をいたずらに壊してしまうようなことはない。つまり、恐ろしいことに、これだけシュールな設定でありながら、本作にはツッコミ役が存在しないのである。全員がいたって真剣に大仏をゴジラと戦わせようとしている。これが最善の手段だと信じきっている。こんな作品が出てくるなんて「まったく想定外だ」なのである。▼読む際の注意事項など昔々、カムイ伝という漫画に、時代劇であるにもかかわらず「ドル箱」とか「千載一遇のチャンス」とかいう台詞があったが、本作にもときおり横文字が登場する。そういえば水戸黄門でも「八兵衛、またサボっとるな!」と黄門様が怒鳴っていた。カムイ伝や水戸黄門の場合は単なるミスであろうが、本作ではだいぶ恣意的である。そこはそれとご容赦いただきたい。だって、どう見てもエヴァがモデルなんだから、発進するときは「リフト・オフ!」って言いたいだろう。そういう作品である。
推薦:蚕豆かいこ 評価:★ (参考になった:134/ならなかった:9)
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