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推薦作品:図書庫の城邦と異哲の女史 原作:オリジナル:その他/戦記
まずはとにかく、読んでみてください。いつものラノベと何かが違うことがわかるはずです。↓ここから推薦文私は人生のうちまあまあ多くの時間をラノベに費やしてきました。あるいはそれ以外のことをまと... (全文表示)
まずはとにかく、読んでみてください。いつものラノベと何かが違うことがわかるはずです。↓ここから推薦文私は人生のうちまあまあ多くの時間をラノベに費やしてきました。あるいはそれ以外のことをまともにできなかった時間も今の私にとっては長いです。その中で、私は元気になればなるほどもっと"歯ごたえのある"文章を読みたいと思うようになっていきました。私が無自覚に求めていたそれは、例えば世にいうなろう系のように簡単ではなく、いくらか難解であれど退屈ではなく、私に知る喜びを与えてくれるような、胸がわくわくするような、そうした文章、できれば物語でした。それを読みたい、理解したい、できるならばそんな世界を編んでさえみたい私は願い、そんな作品を求めて捜索掲示板を何度も漁りました。そこでこの作品を探し当てたこと、そして昨日新しく読む物語にこの作品を選ぶことができたことは、私にとって幸福であり、大きな幸運でした。この作品こそ、まさに私が求めていた理想形そのものだと言っても過言ではありません。実際、私は活字中毒といっていいと思います。しかしそれほど勤勉でもなく、数学もわからず、読んできた文章の大半が娯楽小説で、知識の蓄積もそうないし、ようやっと意欲が出てきたかと思えば、実際はスマホいじりばかりで積ん読が増えるばかりの人間です。しかし、そのためにこの作品に会えたのであれば、自分を褒めてあげてもいいと感じます。▼読む際の注意事項など知識不足で目が滑ることがままありますが、波乗り式読書でなんとかなります。とにかく読んでみてください。
推薦:久遠風音 評価:★ (参考になった:3/ならなかった:3)
推薦作品:再上映 原作:原作:ウマ娘プリティーダービー
閲覧数や評価数の面ではあまり目立っていませんが、佳作と言って差し支えない作品だと思います。「頑張り賞」的な意味の佳作ではなく、たとえ大作とまでは言えなくとも文学として確かな価値を有している、という意... (全文表示)
閲覧数や評価数の面ではあまり目立っていませんが、佳作と言って差し支えない作品だと思います。「頑張り賞」的な意味の佳作ではなく、たとえ大作とまでは言えなくとも文学として確かな価値を有している、という意味での佳作です。文章をぱっと見て受ける印象に騙されず、ウマ娘SSというよりは、深い洞察に基づいた精緻な構造のもと、文学的なアプローチで読むべきです。したがって以下の推薦の内容も「文学」に対して行う水準のものにしています。内容は、ウマ娘のメジロアルダンに焦点を当てた短編で、タイトル通り「再上映」をテーマにしています。私としては、この「再上映」というテーマの選び方がまず素晴らしいと思います。「ウマ娘」というコンテンツは、過去の競走馬たちの史実をスポ根風に再構築・解釈したものであって、史実の「再上映」ということができます。作者の言を借りれば、「かつて存在した名馬達の姿を、愛らしい女の子の姿というポップなアイコンに置き換えることによって、より世の中に広く、システマティックに浸透するよう加工し、『再上映』する」という言い方になります。このテーマを強調するために、デ〇ズニーの映画が作中で効果的に使用されています。デ〇ズニーは物語論や文化人類学の知見を活用してシステマティックにストーリーを構築することで知られており、この背景が、史実を「システマティックに浸透するよう加工」するというウマ娘コンテンツの在り方とリンクしていて、作品のテーマを効果的に演出しています。しかし公式が史実に行う「加工」は、必ずしもメジロアルダンに救いをもたらさないというのが現状です。例えば「シンデレラグレイ」におけるメジロアルダンについて、作者は感想への返信で以下のように述べます。「善戦の末、その回の主要キャラクターに惜敗する姿ばかりが描かれています。メインキャラクター達のように苦悩する姿もあまり描かれず、そこにはトレーナーの姿もない」作者はこの状況に対処しようと、作品全体でメジロアルダンを救おうと試みています。メジロアルダンとトレーナーはデ〇ズニーの過去作品の再上映を共に鑑賞し、アルダンの人生が過去の出来事の繰り返しであるかのような「再上映」であっても、作中の言葉で言えば「模倣され尽くした、手垢に塗れた姿」であろうとも、その先にアルダンだけの固有性が宿ることを信じるようになります。そして作者はその固有性を「ロビーの常夜灯」という比喩に帰着させます。投稿作品を見る限り、本作品の作者の表現したいことは、細やかな気持ちの機微や抽象的なテーマに主軸が置かれていることが多いので、ある程度姿勢を正して丁寧に(純文学へ接するときのように)作品に向き合い、内容を解釈することが必要とされる印象です。そして丁寧に読み取っていくと、作品内にちりばめられた小道具、比喩、象徴、そしてストーリー全体が、作品のテーマを効果的に演出するべく最適な配置を目指しているのを感じ取れるでしょう。喩えるならこの作品は、「メジロアルダンを『再上映』から救い出す」、「作品のテーマを伝える」という機能を果たすため最適に設計された、7000文字以下の洗練された工学的構造物として存在します。作者は既に10を超えるメジロアルダンの短編を投稿されていますが、現状私はこの作品が作者の最高峰だと信じ、ここに初めての推薦をするものです。▼読む際の注意事項など細かい点にはなってしまいますが、平均的な文章より三点リーダーが多い印象を受けました。人によってはそのあたりがくどく感じることもあるかもしれません。
推薦:daidains 評価:★ (参考になった:5/ならなかった:3)
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