▼転生オリ主ものといえばチート能力で無双する俺TUEEEEが連想されるであろう。だがしかし、この作品の主人公はチート能力を手に入れてもすぐに取り上げられてしまうのである。たとえチート能力でなくても。探...
(全文表示)

▼転生オリ主ものといえばチート能力で無双する俺TUEEEEが連想されるであろう。だがしかし、この作品の主人公はチート能力を手に入れてもすぐに取り上げられてしまうのである。たとえチート能力でなくても。探し物の個性(山菜)であっても。世知辛いのじゃ。

原作知識を持ってヒロアカ世界に転生し、これといった転生特典もなく○○という異形系個性を持って生まれた主人公。ヴィラン側に所属し、なんやかんや暗躍しながら好き勝手に人生という道を歩む。が、すぐに脇道にそれていく。古代生物を復活させてみたり、空中庭園を作らせてみたり、芸能界に入ってみたり。そんな1匹の○○がいろいろ振り回され、振り回しながら頑張る愉快なお話である。うむ。

ヒロアカ世界をよく知らなくとも、雰囲気でなんとなく分かる。むしろよく知っている人の方が首を傾げるかもしれぬ。シリアスは死亡確認されている。もうシリアスは(たまにしか)帰らぬのだ。だがしかし。
「これで　いいのだ」

これまで日刊更新が途絶えたことはない。日に2話や3話更新されることもある。だからこそ飽きぬ。かの有名な小説家と同じ文体に、様々なサブカル知識が織り交ぜられる。油と酢に作者様の手腕という卵が混ぜ合わされ、250ｇで1300円以上するお高いマヨネーズになっている。ご賞味あれ。

▼注意事項はサブカル知識の幅広さが求められる点にある。無論元ネタが分からずとも雰囲気で軽く読めるのだが。まあわかっていた方がよりこの作品を楽しめるであろう。

原作のかっこいいヴィランとかヒーローは(あんまり)居ぬ。人間臭く、馬鹿馬鹿しいことを真面目にやったりする。主人公は人でも馬でも鹿でもないが、主人公も悪ノリがちょいとばかり激しい。愉快と言ってしまえばそれ迄であるが。口に合わぬ方もおられるであろう。良いのだ。マヨラー否定派の方も世の中には少なからず居られる。SCP-248-jpのように。個人の好き嫌いと相談しつつ読むことを推奨したい。

つらつらと駄文を綴ってきたが。そう言えばこれは推薦文なのであったか。推薦といえば、この作品も時折別作者様の作品を推薦しておられる。前書きで。興味があるならば是非そちらも読んでみると良いであろう。

そんな○○です。よろしくおねがいします メモ

　主人公緑谷出久がもし闇堕ちしたら……明確かつ端的なタイトルのまんまのお話です。序盤のほんのわずかな差が彼の運命をすっかり変えてしまいます。

　ダークな展開が次々続き、ワクワクしながら読み進めること...
(全文表示)

　主人公緑谷出久がもし闇堕ちしたら……明確かつ端的なタイトルのまんまのお話です。序盤のほんのわずかな差が彼の運命をすっかり変えてしまいます。

　ダークな展開が次々続き、ワクワクしながら読み進めることができますが、ほんのたまには穏やかなシーンもあります。もちろんそれはストーリーにおいてのテイストにすぎず、あっという間に元の重苦しい雰囲気に。

　彼の｢無個性｣という生まれ、いじめを受けていた過去……そして受けた暴言。それを顧みればこのような展開になったのもこじつけではない、と思います。特に前述の｢ほんの僅かな差｣が、どうしようもなく｢取り返しのつかない差｣なのです。

　ともかく一気読みして何回も読み直すような引き込まれる作品です。これは主観ですが、とても好きです。好きな人にはとことんハマる作品でしょう。

　とりあえず一段落し、完結している部分からいかがでしょうか？


▼読む際の注意事項など
　ちょっとだけ主人公についての捏造ネタがあります。

　闇堕ちなので明るくハッピーなお話なわけもありません。むしろそれが良いのですが、残酷描写というか、暗い展開がわんこそばのようなので暗い展開にショックを受けやすい方は向いていないかも知れません。