推薦作品:ONE DAY 原作:原作:ONE PIECE
『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』の舞台を主軸に、天竜人の息子と海賊王の娘が駆け抜けるIFの作品。ライトノベルの平均文字数5~10万字。この作品は全四話にも関わらず1... (全文表示)
『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』の舞台を主軸に、天竜人の息子と海賊王の娘が駆け抜けるIFの作品。ライトノベルの平均文字数5~10万字。この作品は全四話にも関わらず16、7万字という盛り沢山のボリューム。文章力や設定、心情描写の完成度も高く、冗談抜きで出来の良すぎるIFの外伝作品を読んでいる感覚に包まれました。天竜人の血を引いているがため世界の恨み全てを注がれた幼少期を送り今も苦しんでいる主人公と、海賊王の娘だったため明るい笑顔の裏に暗い絶望を抱えるヒロイン。尾田先生ばりの感情と感情のぶつけ合いに精神を抉るような過去話、しかし暗い過去ばかりではなく、それは前を向くために歩き続ける二人の成長に繋がり、物語のカタルシスを助長させています。今作のボスでもある”金獅子のシキ”の描写、口調、海賊であるがための卑怯な性格も原作そのものと言っていいくらい完成されています。おまけに脇役といったキャラの回し方も上手く、主要人物だけでなくサブキャラも物語の一部と言っても過言ではありません。物語の中盤、シキに浚われてしまったノアを素直に助けに来たといえず、理由の建前に忘れものだといって”始まりの町”ローグタウンで買った麦わら帽子をかぶせるシーンは感動しました。そしてシキとの命と鎬を削る戦闘描写、『六式』、『竜爪拳』、『魚人空手』、『覇気』と言った力を無駄なく戦闘に使いこなし、準四皇ともいえる大海賊シキ相手に引けを取らない実力を見せつけます。技の名前のネーミングセンスや、地形や状況相手の技を利用した戦闘、口撃バトル等も完成度が高く、ワンピースの二次創作ではかなりハイレベルな戦闘描写と言えるかもしれません。終盤、主人公ルナが母親を言及するシーンがあり、『あの人』の子供だったのかと気づいたときは泣きそうになりました。物語はここで完結しており読了感も半端なく高いですが、いずれ続きが読めるとなれば真っ先に拝読したいと思っている作品です。▼読む際の注意事項など原作の主要人物が、回想で出てくる革命軍や金獅子海賊団、名前だけ言及されるルフィ以外ほとんど出てきません。とはいえそれが全く気にならないぐらい、主人公とヒロインのキャラクターが、ワンピースの物語の味を損なわせていません。ワンピース特有のちょっとした漫才みたいな掛け合いや小さな伏線も散り散りに隠されています、物語を読み終えたとき『ノア』というヒロインの名前に隠された意味を知り、そうだったのかとひたすら感心しました。読むたび読むたび、隠された伏線を発見できるかもしれません。
推薦:風凪五月 評価:★ (参考になった:14/ならなかった:3)
推薦作品:マシン・マジック・マイメモリー 原作:オリジナル:現代/冒険・バトル
今回ご紹介させていくこの作品は"魔法少女"の集まりであるマナフロンティアと、"軍事組織"魔装戦線が同時に存在し、共に人類の敵「脅威(メナス)」に立ち向かうニチ... (全文表示)
今回ご紹介させていくこの作品は"魔法少女"の集まりであるマナフロンティアと、"軍事組織"魔装戦線が同時に存在し、共に人類の敵「脅威(メナス)」に立ち向かうニチアサ的世界観のお話です。各組織のあり方や関係性、メナス自体の設定なども面白いのですが、今回推したいポイントはキャラクター!主人公です。まず3話まで読んで欲しい!と思って推薦を書いています。主人公は針谷という魔装戦線サイドの隊員なのですが、有能ながら何かと板挟みで気苦労の多い人です。その彼の意外な一面が見られるのが第3話!1、2話で丁寧に世界観と組織のあり方を描いてくれるのですが、そこを読むと彼の苦労も浮き彫りになっていることでしょう。そんな針谷さんの楽しみは美味しいものを食べること。頭の中で料理に対する感想を思い浮かべつつ、日々に疲れた有能成人男性が心躍らせて美味しそうにごはんを食べる様子はかなり魅力的です。旨そうな料理描写にお腹もすく。そして料理は一緒に食べる人との縁を繋ぐもの。食事を共にして交流が生まれるシーンは、他がシリアスな分非常に心が和むところです。もう一人推したいキャラ、魔法少女の茜ちゃんもとってもかわいいぞ!という事も併せて読んでいただければと。そんな彼らのキャラクターを踏まえて続きを読んでいくと、物語が一層楽しめると思います。まず3話まで読んで針谷という男を知って欲しい。それに尽きます。プロフェッショナルな仕事人魔装戦線と、強く華やかな魔法少女達との共闘など。見応えのあるシーンも多い作品ですね。加えてこちらの作品は一クール小説杯、という企画参加作品のため、12話(一クール)で完結が約束されてるところも魅力の一つです。この推薦を書いている時点では丁度中間の第6話までが更新済み。毎週日曜23時の更新となっているので、今からニチアサならぬニチヨルをリアタイで追ってみるのも良いかもしれません。ちなみに私のおすすめは3話と5話です。▼読む際の注意事項などパワーバランスとしては魔法少女の方が個人として戦う力が強め。主人公は有能なのですが、最強や無双系を期待してる人向けではないかも、というのが注意点といえば注意点かもしれません。
推薦:丸焼きどらごん 評価:★ (参考になった:7/ならなかった:1)
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