・PDF ・感想ページへ (55件) ・アクセス解析 ・お気に入りの追加
推薦作品:ビッテンフェルト提督の麗しき結婚生活 原作:原作:銀河英雄伝説
全32話完結の長編銀英伝2次創作。あの猛将ビッテンフェルトが病弱で純真可憐な乙女な令嬢と婚約する運びに。しかしその令嬢は実は前世でコンサルをしていた転生者で…。そんな猪武者には想像もつかない性... (全文表示)
全32話完結の長編銀英伝2次創作。あの猛将ビッテンフェルトが病弱で純真可憐な乙女な令嬢と婚約する運びに。しかしその令嬢は実は前世でコンサルをしていた転生者で…。そんな猪武者には想像もつかない性格・嗜好・能力全てが全く異なる侯爵令嬢との恋愛模様が、銀英伝作品にしては読み始めやすい10万字程度で纏まって描かれます。そして恋愛描写のみではなく、家庭を持ち進化した猪武者が「国務尚書」にまで登り詰める。その躍進していく過程もしっかり描写されているので是非ご期待下さい。主人公となる侯爵令嬢は銀英伝は原作一巻途中で挫折してほぼ知識は皆無。当然誰が死んで誰が生き残るのかが分からない状態での唯一の知識は「作者が殺し忘れた」というまとめサイトのビッテンフェルト評で。そしてこれからラインハルトによる血で血を洗う内乱が待っていることを知る主人公はビッテンフェルトと結婚した程度で自分の家と領地が無事で済む訳はないことから専門書や公的に提供されるデータを収集し、艦隊戦用のシミュレーターまで手に入れて夫が戦争に行く間に只管書斎に籠る日々を送る。そしてビッテンフェルトが軍務から家に帰ってくると、夫婦で「勉強会」を行い万が一でも戦場で戦死しないように政治経済から艦隊の運用まで議論する結婚生活が始まって。軌道に乗った頃は「早く殺し過ぎた」真逆の運命を背負った青年キルヒアイスと、自分と同じ転生者であるフェルナーと出会い破滅を防ぐための計画を進めていきます。本作はそんな転生者たちの計画が齎したIFルートの銀河帝国が辿る歴史が新鮮で、夫婦の勉強会の結果ただの猪武者とは最早誰も言えなくなったビッテンフェルトが格好いい。銀英伝を戦後まで綺麗にまとめ上げビッテンフェルトの魅力も分かる良作です。(同内容を自サイトでも投稿しています)
推薦:夜市よい 評価:★ (参考になった:8/ならなかった:1)
推薦作品:リヒテンラーデの孫 原作:原作:銀河英雄伝説
帝国宰相リヒテンラーデ公爵の孫であるゲオルグ・フォン・リヒテンラーデなる人物を主人公に据えた人類史に燦然と輝く黄金の獅子ラインハルト・フォン・ローエングラムの改革の影にスポットを当てた物語。時... (全文表示)
帝国宰相リヒテンラーデ公爵の孫であるゲオルグ・フォン・リヒテンラーデなる人物を主人公に据えた人類史に燦然と輝く黄金の獅子ラインハルト・フォン・ローエングラムの改革の影にスポットを当てた物語。時系列が始まるのは原作2巻終了後、ラインハルトが政敵たる帝国宰相リヒテンラーデ公を排除して名実共に帝国の最高指導者となったところで、彼の嫡孫たる内務次官ゲオルグ・フォン・リヒテンラーデが行方をくらませていた事が判明するというところから始まる。頭の片隅には置いたものの失脚したゲオルグに何が出来るものではないと判断するラインハルトをよそに主人公たるゲオルグはあの手この手で自分の秘密組織の勢力を拡大させていくというのが大まかな作品の流れだが今作の特色はなんといってもラインハルトの急激な改革によって齎された急激な価値観の変動とそれについていけない旧い時代の者達の悲哀である。それは時に自領の領民に対しては「良い貴族」だったが植民星に対しては酷薄だった門閥貴族であったり、そんな「良き領主」に忠誠を捧げた平民だったり、時に国家に忠節を尽くし「悪逆なる共和主義」の取締に生涯を掛けていた軍人だったりと様々である。彼らの多くは決して殊更悪人というわけではないし、彼らには彼らなりの理屈や正義が存在した。しかし、ラインハルト・フォン・ローエングラムの齎した改革は文字通りにそれまでの価値観や常識というものを尽く吹き飛ばした。ゴールデンバウムの時代には「正義」であったことが、ローエングラム体制では「悪」なのである。今作はそんな急激な時代の変化に翻弄された人々にスポットを当てた話となっている。此処まで書くとラインハルトやローエングラム陣営に対するアンチかと思われるかもしれないがあくまでラインハルト・フォン・ローエングラムは人類史に燦然と輝く英雄であり、彼に従った腹心たちも紛れもない英傑として描写されている。ただ、ラインハルトの齎したものは良くも悪くも余りに「劇的」過ぎた事が実感できる作品となっている。文章に関しても原作でおなじみの後世の歴史家の視点なども入っていたりと、原作の雰囲気が良く出ている。▼読む際の注意事項など・ラインハルトの改革の陰にスポットを当てた話なのでローエングラム陣営に対するある種のアンチテーゼをぶつけるものとなっている
推薦:ライアン 評価:★ (参考になった:13/ならなかった:3)
同原作推薦一覧