「キレイな禪院直哉」をテーマとする作品群は数えるにあまりあるが、当作品はその模範解答といって差し支えない。

　禪院直哉をミームたらしめるのは、なんといってもそのドブカス思考と辞世の句だろう()。...
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　「キレイな禪院直哉」をテーマとする作品群は数えるにあまりあるが、当作品はその模範解答といって差し支えない。

　禪院直哉をミームたらしめるのは、なんといってもそのドブカス思考と辞世の句だろう()。
　中身を変えればドブカス要素がなくなるという従来の問題を、中身ではなく行動を聖人化するという荒業で解決し、発言をすべて五七五にしなければならないという縛り設定によりコンスタントに直哉節を味わうことができるようにもした。これを考えた作者の発想力とそれを描写する手腕には脱帽せざるを得ない。

▼文章、ストーリー、描写などについての紹介など
　主人公である禪院直哉は、五条悟や禪院甚爾のような"向こう側"の強者となるため、イカれた十個の縛りを自らに課した。
　「五七五か五七五七七でしか喋られない」
　「良識に外れた行いができない」
　「『悪』には敵対しなければならない」
　……
　などの強烈な縛りを背負った彼と、そんな彼に影響される他のキャラたち。
　自縄自縛の生活の代わりに特級術師の地位とそれに違わぬ力を得た禪院直哉は、今日も内心で舌打ち罵倒の悪態をつきながら善行に励む。

▼読む際の注意事項など
　魔法少女禪院真依に脳を破壊されないように気をつけること。

チェンソーマンと呪術廻戦のクロスオーバー作品、原作は呪術廻戦のため純粋なチェンソーマン二次ではないがチェンソーマンのネタが多く含まれており楽しめる作品となっている。
チェンソーマンの悪魔は呪霊とな...
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チェンソーマンと呪術廻戦のクロスオーバー作品、原作は呪術廻戦のため純粋なチェンソーマン二次ではないがチェンソーマンのネタが多く含まれており楽しめる作品となっている。
チェンソーマンの悪魔は呪霊となり、魔人は受肉体、デビルハンターは呪術師に置き換わっている。
呪術廻戦の舞台は銃の呪霊が倒されて数年が経ち、五条悟、夏油傑、家入硝子3人が高専時代2年生春の頃、早川那由多が転入してくる。彼女はかつて最悪の呪霊と呼ばれ、倒された支配の呪霊が新たに生まれた呪霊だった。これは彼ら4人と血の特級呪霊との戦いで死者が出るまでの、青春の物語。
あらすじを纏めるとこの様な感じだろう、ストーリーは引きよく終わるため次の話が気になる展開になっている。話数は27話と軽めに纏まって完結しているので所感だが1時間くらいで読み終わると思われる。
呪術廻戦のキャラ、チェンソーマンのキャラ共によく書けていて、チェンソーマンに関しては話の都合上那由多がオリキャラとなっているが個性的であり、原作の支配の悪魔から考えると繋がりやすいキャラだと感じられた。そんな那由多が学生時代の五条悟や夏油傑、家入硝子らと話す場面はとても面白い掛け合いとなっている。
今作は原作のコミカルな部分を引き出しているが、同時に両作のシリアスでゲロ吐いてしまいそうな部分も引き出している。壊玉編に関しては特にそう感じられるだろう。
呪術廻戦0巻にあたる純愛編では両作のキャラがクロスオーバーらしく活躍しており、とても読み応えがある。私も何度か読み返させていただいたが何度読んでも良い作品だ。エピローグに関しては藤本タツキ先生リスペクトであり、このように終わったかと感嘆の息を吐いてしまった。
▼読む際の注意事項など
呪術廻戦、チェンソーマン共にジャンプ本誌、まだコミック未刊の内容が含まれるためネタバレに注意を、原作呪術廻戦にチェンソーマンのキャラ、設定をクロスさせたためいささかチェンソーマンのキャラが贔屓されてるように感じてしまうかもしれない。しかし、上手く両作をクロスさせた作品としておすすめせざるを得ない、ぜひ終わりまで読んでほしい。