推薦作品:銘無しの贄の英雄譚 原作:オリジナル:ファンタジー/冒険・バトル
記憶喪失の主人公がヒロインに命を救われるという、ベタで王道な展開から物語は始まります。 ただし、何故かそのヒロインからすぐに命を狙われる模様。 序盤からそれなので、決して多くもない登場人物すべて... (全文表示)
記憶喪失の主人公がヒロインに命を救われるという、ベタで王道な展開から物語は始まります。 ただし、何故かそのヒロインからすぐに命を狙われる模様。 序盤からそれなので、決して多くもない登場人物すべてが疑わしく思え、そもそも正体不明な主人公も含めていったい誰を信じれば良いのか……。そんな謎解き要素もありながら第一章は進行します。 主人公のヴィクター(仮名)は昨今では珍しい程の熱血漢。どちらかといえばクールな主人公が多い印象のネット小説界隈では、そんな王道主人公こそが珍しく感じました。 では彼は考えなしで猪突猛進な脳筋なのかといえば答えは否。二重三重に策を立て、周到に準備をし、口八丁を以て相手の思考を誘導する。そんな狡猾さも兼ね備えた、どこか歪な面も持ち合わせています。 魔法が幅を利かせる世界で、魔力を持たない男が頭脳と筋肉を以て格上の相手に食らいつく。そんな泥臭いバトルが好きな諸兄には是非おすすめ。 世界観は剣に魔法にギルドにドワーフにエルフと、馴染みのあるファンタジー世界かと思えばやはり一味違う。 魔力で動く洗濯機など序の口、魔力コンロに魔力自動車など、高度に発達した文明を持つ世界となっております。魔法についての設定も練られており、まさに発達した魔法と科学は同じ物といったところです。 上記のように、王道で古風な要素を基にしつつ、現代風のアレンジを加えたようなファンタジー作品という印象を持ちました。 その世界で、熱血さと冷静さを兼ね備えた漢ヴィクターがどのような道を歩んでいくのか、今後も目が離せません。 もちろんヒロインも美少女で素直で茶目っ気があって頑張り屋で魅力的な美少女となっておりますよ!腹筋割れてますけどね!▼読む際の注意事項など 作者さま曰く「ちょっぴり真面目に書いた厨二の黒歴史ノート」がコンセプトとのこと。厨二要素が苦手な人はご注意を。 また物語はまだまだ序盤のようで、今後の展開については貴方の目で確かめて頂きたい。
推薦:甲乙 評価:☆ (参考になった:2/ならなかった:0)
推薦作品:終末街の迷宮 原作:オリジナル:現代/冒険・バトル
一つの作品として緻密に作りこまれており、なにげないジョークや地の文でさえ意味がある。とても作りこまれており無料のウェブとは思えない完成度。これを一人で書いたのかと考えるとちょっとびっくりするくらいで... (全文表示)
一つの作品として緻密に作りこまれており、なにげないジョークや地の文でさえ意味がある。とても作りこまれており無料のウェブとは思えない完成度。これを一人で書いたのかと考えるとちょっとびっくりするくらいであり、ふとしたしたシーンでも抜け目なく意図が張り巡らされているあたりは何度も編集し推敲されたであろう努力を感じる。またポストアポカリプスものとしても巻き起こる現象はテンプレから離れており斬新で、こういった作品に慣れている人でも楽しむことができそうだ。展開する物語の構成は常にどこか謎がありスリリングで、こちらもやはりテンプレとは言い難く、しかし全体を俯瞰してみれば要所要所のポイントは抑えられている。荒廃する世界、成長する主人公、謎が謎を呼ぶ構成と物語的な示唆にあふれたあれやそれ、あとかわいい女の子。総括してもっと評価されるべき作品で、実力に対して埋もれていると感じる。みんなもっと読め!▼読む際の注意事項などしかし残念なことに評価されない理由もある。ひとつは序盤の展開の遅さ。もうひとつは主人公のチャラさ(?)だ。序盤の進行は他のポストアポカリプスものに比べてかなりゆっくりで、主人公が敵に対抗しうる力を持つまでかなり遠い。初めのかなり長い間主人公は外敵の脅威におびえるばかりで何もできず、読者はやきもきすることになる。どれくらいかというと、このまま主人公は何の能力も手に入れられずずっと震えるばかりで何もできないのではないのかと、もしかしてこの作品はなろう的なやつじゃなくてバイオ的なやつ(最初から最後までゾンビに逃げ惑う)じゃないのかと思うくらいである。自分はそう思った。しかしそこで挫けるのはとても勿体ない!たしかに最初はのろのろうだうだしているし頼りない主人公は読者の気分を苦しくさせるが、それは世界観のために必要な工程だ。上記したようにただのテンプレではないポストアポカリプスものの世界に読者を入り込ませるための過程に過ぎない。実際、弾けた後の展開にはスピード感があり、少なくとも序盤のゆっくりさは作者の技量の問題ではないことがわかる。もうひとつは主人公の性格だが……これは正直読む側の趣味による。この作品の主人公はワードセンスがかなり俗っぽく、見ようによってチャラいので、シリアスな場面をぶち壊してしまうと感じる人も多いようだ。しかし主人公の持つ独特なノリは慣れれば癖になる。個性ある主人公を受け入れられる人には、むしろ好感触かもしれない。自分のように。つまり何が言いたいかというと、やっぱり、みんなもっと読んでくれ!ということである。
推薦:海中時計 評価:★ (参考になった:6/ならなかった:1)
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