推薦作品:星と少年 原作:原作:Infinite Dendrogram
この作品には、原作である<Infinite Dendrogram>に登場するキャラクターが、ほぼ出てこない。 しかし、原作の世界観や雰囲気が完璧に再現され、それゆえに「VRMMOでの異... (全文表示)
この作品には、原作である<Infinite Dendrogram>に登場するキャラクターが、ほぼ出てこない。 しかし、原作の世界観や雰囲気が完璧に再現され、それゆえに「VRMMOでの異能バトル」という原作の趣旨が完全に、もしかすると原作以上に再現されているかもしれない。 「原作と矛盾した設定を出さない」というレギュレーションに沿っているからこそ、非常に純度の高い異能バトルが完成されている。これは、原作がある二次創作にしか出せない魅力である。 オリジナル『エンブリオ』、オリジナル『職業』、オリジナル『特典武具』、オリジナル『UBM』。全て、原作で説明された法則に違和感なく馴染むものであり、チートなどでは決してない。作品の根幹に絡むアイテムである『劣級エンブリオ』ですら、原作に登場する法則で説明がつくものである。 三人称である故に、キャラクターの感情を一歩離れた視点で描写されている。キャラクターと読者との距離の取らせ方が良い意味で非常に狡猾で、それはキャラクター造形にも及んでいる。 主人公の一人、ブラーはMMO廃人で、リア充を見下すロクデナシである。ゲーム内でトップに成り上がりたいという想いのために、NPCを躊躇なく殺す。いやに生々しく、現実にいそうなキャラクター造形であるが、読者はキャラにも文章にも強い嫌悪感を抱くことなく物語に没入できる。それは、肯定も否定もしない三人称からの心理描写が非常に精緻で、「ああ、現実にいたらヤな奴だ」と、軽く思わせる程度にとどめてしまう。しかし、例えば悲劇に対する被害者の心情は、三人称でありつつもキャラクターと距離を若干詰め、「可哀想に」という印象を与えさせる。 また、前述したオリジナル設定も非常にオトコノコ心をそそる魅力的なものだ。中二病患者の妄想とは一線を画する緻密で、ゲームバランスを崩さず、かつロマンを理解する固有名詞と能力の内容をしている。 小説家になろうもしくは書籍でデンドロ本編を読み終わり、同じ雰囲気でもっと異能バトル要素を煮詰めたのが読みたい!と思った方は、是非最初にこの作品を読んでいただきたい。▼読む際の注意事項など 三人称であり、二章以降スポットライトが当たるキャラクターが移り変わるため、三人称群像劇を読みなれていない人は少し集中力を要するかもしれない。
推薦:砂漠谷 評価:☆ (参考になった:3/ならなかった:0)
推薦作品:機動戦隊アイアンブラッドサーガー悪魔と少女と機甲ー 原作:原作:機動戦隊アイアンサーガ
この小説は【機動戦隊アイアンサーガ(以下アイサガ)】という無料のアプリゲームを題材とした二次創作である。主人公はパンパンパン!でお馴染み冷徹系主人公三日月オーガス君。最初は三日月とアイサガの原作... (全文表示)
この小説は【機動戦隊アイアンサーガ(以下アイサガ)】という無料のアプリゲームを題材とした二次創作である。主人公はパンパンパン!でお馴染み冷徹系主人公三日月オーガス君。最初は三日月とアイサガの原作主人公であるベカスとの軽妙なやり取りにニヤニヤワクワクする。序盤の方は結構サクサク頭を空っぽにしてどんどん読めるが、後半は緻密に用意され配置された伏線や、登場人物のそこそこ重めな心理描写が中々くる。この推薦文の『最初はアッサリ後々ドッシリ』な、丸でカスタードパフェのような印象受けるだろう。因みにこの作品の三日月君は火星ヤシ(ナツメヤシ)の他にももう一つ好物が出来た。めでたい事である▼読む際の注意事項などタイトルに『ブラッド』とある様に、流血描写や残酷な表現がそこそこ多い本作。これ書いてる私は文章を読んでいる時自然とオルフェンズの残虐ファイトが浮かび上がる程度にはある。とある話に伏字が大量に含まれるシーンがあるが、アレは伏字が無かったらR18ぐらいにはなってたかもしれない。鬱なシーンもそこそこ多いので軽いライトな作品求める兄貴はバルバトス兄貴(この作品)ではなくアルバトロス姉貴(別の作品)の方へ行くことをお勧めする。▼最後に推薦文を書くつもりが色々と酷いことを書いてしまったような気もするが、少なくともこの作品に『読む価値がある』と幾多のジョン・ドゥのうちの1人である私が保証する。具体的にはそのまま上記の作品を読んでくれたら、この作品の一ファンとしてとても嬉しい事だ。ここは一つ。路傍の石を慰めるつもりで読んでみてほしい。
推薦:korotuki 評価:☆ (参考になった:0/ならなかった:0)
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