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推薦作品:テイルズオブフェイティア〜宿命を運命へと変えていくRPG〜 原作:原作:テイルズオブ
───『外は、しんしんと雪が降り続けていた』 物語の始まりは、世界を牛耳る三つの国家、その中のひとつである白銀に覆われた雪国・スヴィエート帝国。その第一皇位継承者・アルエンスは刺客の手から逃れ... (全文表示)
───『外は、しんしんと雪が降り続けていた』 物語の始まりは、世界を牛耳る三つの国家、その中のひとつである白銀に覆われた雪国・スヴィエート帝国。その第一皇位継承者・アルエンスは刺客の手から逃れた後に下町の貧民の少女、ルーシェに命を救われる。身分を隠しアルスと名乗った彼は、特別な術・治癒の力を持つ彼女と共に自らの、果ては世界の宿命と向き合い、それを運命に変えていく───。宿った命、即ち自分の使命、"宿命"は変える事は出来ない。でもそれを、第三者が介入する事で、"運命" という運ぶ命に変えられる事は出来るんじゃないか?宿命と向き合ったり、それを乗り越えて運命に変えた時、改めて自分がどういう人間なのか、どういった人間だったのかが分かる。自分の正直な気持ちが全部出てくる。俺はそんな気がするんだ。君が俺にそうしてくれたように──────。 本編は短い一文とリズミカルな会話でテンポよくストーリーが進む。テイルズらしいストーリー展開に引き込まれる。 総勢パーティーメンバーは8名と比較的多めだが、キャラクターそれぞれがそれを短所としないほどの個性の強さを持っている。あらすじの立ち絵を見ると分かるが、どのキャラも容姿は被らずに非常にカラフルなメンツとなっている。設定のイラストが凝っているのでキャラクターが掛け合っている姿が想像出来やすい。敵やサブキャラクターを含めても戦闘スタイルや性格に重なるところがなく、人物で混乱する心配はない。複雑な人間模様、人間らしさがいくつか描かれるものの、それぞれが混線することもないので、広がっていく関係性や意外な事実をすんなりと受け止められる。 ところどころに伏線があり、謎とヒントと解答が適度に明かされていくので、今後の考察も楽しめる。また、謎が明らかになってから再度読み直すと、一度目とは違った視点で物語を見ることができるので時には読み返すこともオススメ。 内容はシリアスな部分が強く印象に残りがちだが、時折はさまれる小休止のような場面はくすりと笑いを誘うもの。おなじみの掛け合いやどこかで見たやりとりも交わされるのでテイルズシリーズをご存じの方にはその既視感も魅力のひとつ。個性豊かなキャラクター、流れるようなストーリー展開、作り込まれたシナリオ…どれかひとつでも気になるものがあるなら、ぜひテイルズオブフェイティアを読んでみては?▼読む際の注意事項など 設定集には術技やステータスなどの情報がたくさん詰められていて、作者のこだわりが垣間見える。テイルズゲームファンで、戦闘アクションが好きな方はぜひ設定までみてほしいが、それを必要としない、苦手な方もいるのは事実。特にテイルズを知らない、これはタグにテイルズオブと付ける必要があるのか?と思われる方もいるかもしれません。オリジナルの二次創作なのでそこは予め了承しておいた方がいいです。別に術技集は本編にあまり関係しないものなので。地の文が続く場面もあるが比較的会話文が多めなので注意。
推薦:田中かなた 評価:★ (参考になった:12/ならなかった:18)
推薦作品:大詠師の記憶 原作:原作:テイルズオブ
経験則として、おじさんが輝く物語はどれも大体面白い作品であると思っている。この作品もまた、自分の経験則を裏付けた、素晴らしい作品である。 できるだけぼかしながらさわりだけ説明したい。 原作におい... (全文表示)
経験則として、おじさんが輝く物語はどれも大体面白い作品であると思っている。この作品もまた、自分の経験則を裏付けた、素晴らしい作品である。 できるだけぼかしながらさわりだけ説明したい。 原作において悪党だった主人公モースは「前世の記憶」としてその宿罪を背負う、一人の宗教家である。 彼は前世で働いた悪逆非道を宿罪として背負い、心から改心する事で例えその先に、自らの居場所が無かったとしても。果たすべき目標を志すのである。 また作中で主人公は事とある毎に自身を「罪人」であると称して卑下するが、その一方で原作で悲劇的な事件、結末を迎える人々に対して『愛』を注ぐ聖人としての一面が強く自分の印象に残っている。 導師イオンを含むオリジナルイオンのレプリカ達、原作主人公ルーク・フォン・ファブレ、アニス・タトリンと妖獣のアリエッタ、ナタリア・ルツ・キムラスカ・ランバルディア等。哀れな彼らに対しモースは惜しみない愛情と「他者とのつながり、絆」で受け止めるのである。 「子ども達が犠牲を強いられる世界にしてはならない。そして少しでも多くの人々が救われる、今少し優しい世界に変わっていって欲しい」 予言で雁字搦めに縛られた世界から「自由を求める闘い」を繰り広げる、聖人の如き一人の宗教家の軌跡を自分は最後まで追っていきたいと思う。▼読む際の注意事項など 原作を知らなくても、主人公に寄り添うように読み進める事で問題なく読めるのではないかと思うが、より作品の詳細な部分に迫りたい人は原作を確認するべきだと思われる。
推薦:狂胡椒 評価:★ (参考になった:15/ならなかった:1)
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