・PDF ・感想ページへ (7件) ・アクセス解析 ・お気に入りの追加
推薦作品:ONE DAY 原作:原作:ONE PIECE
『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』の舞台を主軸に、天竜人の息子と海賊王の娘が駆け抜けるIFの作品。ライトノベルの平均文字数5~10万字。この作品は全四話にも関わらず1... (全文表示)
『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』の舞台を主軸に、天竜人の息子と海賊王の娘が駆け抜けるIFの作品。ライトノベルの平均文字数5~10万字。この作品は全四話にも関わらず16、7万字という盛り沢山のボリューム。文章力や設定、心情描写の完成度も高く、冗談抜きで出来の良すぎるIFの外伝作品を読んでいる感覚に包まれました。天竜人の血を引いているがため世界の恨み全てを注がれた幼少期を送り今も苦しんでいる主人公と、海賊王の娘だったため明るい笑顔の裏に暗い絶望を抱えるヒロイン。尾田先生ばりの感情と感情のぶつけ合いに精神を抉るような過去話、しかし暗い過去ばかりではなく、それは前を向くために歩き続ける二人の成長に繋がり、物語のカタルシスを助長させています。今作のボスでもある”金獅子のシキ”の描写、口調、海賊であるがための卑怯な性格も原作そのものと言っていいくらい完成されています。おまけに脇役といったキャラの回し方も上手く、主要人物だけでなくサブキャラも物語の一部と言っても過言ではありません。物語の中盤、シキに浚われてしまったノアを素直に助けに来たといえず、理由の建前に忘れものだといって”始まりの町”ローグタウンで買った麦わら帽子をかぶせるシーンは感動しました。そしてシキとの命と鎬を削る戦闘描写、『六式』、『竜爪拳』、『魚人空手』、『覇気』と言った力を無駄なく戦闘に使いこなし、準四皇ともいえる大海賊シキ相手に引けを取らない実力を見せつけます。技の名前のネーミングセンスや、地形や状況相手の技を利用した戦闘、口撃バトル等も完成度が高く、ワンピースの二次創作ではかなりハイレベルな戦闘描写と言えるかもしれません。終盤、主人公ルナが母親を言及するシーンがあり、『あの人』の子供だったのかと気づいたときは泣きそうになりました。物語はここで完結しており読了感も半端なく高いですが、いずれ続きが読めるとなれば真っ先に拝読したいと思っている作品です。▼読む際の注意事項など原作の主要人物が、回想で出てくる革命軍や金獅子海賊団、名前だけ言及されるルフィ以外ほとんど出てきません。とはいえそれが全く気にならないぐらい、主人公とヒロインのキャラクターが、ワンピースの物語の味を損なわせていません。ワンピース特有のちょっとした漫才みたいな掛け合いや小さな伏線も散り散りに隠されています、物語を読み終えたとき『ノア』というヒロインの名前に隠された意味を知り、そうだったのかとひたすら感心しました。読むたび読むたび、隠された伏線を発見できるかもしれません。
推薦:風凪五月 評価:★ (参考になった:14/ならなかった:3)
推薦作品:【完結】人形たちの霊魂戦争 原作:オリジナル:ファンタジー/戦記
この作品を他人に薦める時何と説明するか。その判断がいかに難しいか、読んだ人にはわかると思います。硬派なファンタジーでもあり、ロボット(と、敢えて書かせていただきます)大戦ものでもあり、深堀した戦争も... (全文表示)
この作品を他人に薦める時何と説明するか。その判断がいかに難しいか、読んだ人にはわかると思います。硬派なファンタジーでもあり、ロボット(と、敢えて書かせていただきます)大戦ものでもあり、深堀した戦争ものでもあり、ヒューマンドラマでもあり、哲学小説でもあり、恋愛を凌駕する究極の恋愛小説でもあり、ギリシャ神話でもある。おまけに萌え要素などもなきにしもあらず。しかし「説明できない」という悩みこそがこの小説のおすすめポイントなのだと、私は気づきました。どの部分が響いたかによって選り分けるジャンルがかわる小説。ストーリーの邪魔することなく、しかしひけらかさない文章力を以て描かれる世界は説得力に溢れ、どこにでも素直に入り込めるので、言い方は悪いですが読者をある意味孤独にします。だからこそ、読者の知識や経験や人間性によって読み取るものが違う。読書家なら読んでみて損はありません。良い意味で読者に委ねられる部分も多いので、読み手として目に自信のあるかたにこそ読んで語っていただきたいと思いました。たくさんの人の感想を読みたくなる小説です。私はバトルものとしてもかなり好きですが、一つ選ぶなら哲学的な部分を推します。ウーティスという人間の過去を知った上で繰り広げられる霊魂という概念と、その在り方について。そして何度も思議された先の答えと、もっと先にある未来について。ネタバレしそうなので詳しくは言えませんが、個人的にはカラマーゾフの兄弟と同じ棚におきたいなと思いました。ちょっと伏せすぎて何言ってるのかわかんないと思いますが、とにかくイチオシです。
推薦:みずたま有華 評価:☆ (参考になった:3/ならなかった:0)
同原作推薦一覧