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推薦作品:リヒテンラーデの孫 原作:原作:銀河英雄伝説
帝国宰相リヒテンラーデ公爵の孫であるゲオルグ・フォン・リヒテンラーデなる人物を主人公に据えた人類史に燦然と輝く黄金の獅子ラインハルト・フォン・ローエングラムの改革の影にスポットを当てた物語。時... (全文表示)
帝国宰相リヒテンラーデ公爵の孫であるゲオルグ・フォン・リヒテンラーデなる人物を主人公に据えた人類史に燦然と輝く黄金の獅子ラインハルト・フォン・ローエングラムの改革の影にスポットを当てた物語。時系列が始まるのは原作2巻終了後、ラインハルトが政敵たる帝国宰相リヒテンラーデ公を排除して名実共に帝国の最高指導者となったところで、彼の嫡孫たる内務次官ゲオルグ・フォン・リヒテンラーデが行方をくらませていた事が判明するというところから始まる。頭の片隅には置いたものの失脚したゲオルグに何が出来るものではないと判断するラインハルトをよそに主人公たるゲオルグはあの手この手で自分の秘密組織の勢力を拡大させていくというのが大まかな作品の流れだが今作の特色はなんといってもラインハルトの急激な改革によって齎された急激な価値観の変動とそれについていけない旧い時代の者達の悲哀である。それは時に自領の領民に対しては「良い貴族」だったが植民星に対しては酷薄だった門閥貴族であったり、そんな「良き領主」に忠誠を捧げた平民だったり、時に国家に忠節を尽くし「悪逆なる共和主義」の取締に生涯を掛けていた軍人だったりと様々である。彼らの多くは決して殊更悪人というわけではないし、彼らには彼らなりの理屈や正義が存在した。しかし、ラインハルト・フォン・ローエングラムの齎した改革は文字通りにそれまでの価値観や常識というものを尽く吹き飛ばした。ゴールデンバウムの時代には「正義」であったことが、ローエングラム体制では「悪」なのである。今作はそんな急激な時代の変化に翻弄された人々にスポットを当てた話となっている。此処まで書くとラインハルトやローエングラム陣営に対するアンチかと思われるかもしれないがあくまでラインハルト・フォン・ローエングラムは人類史に燦然と輝く英雄であり、彼に従った腹心たちも紛れもない英傑として描写されている。ただ、ラインハルトの齎したものは良くも悪くも余りに「劇的」過ぎた事が実感できる作品となっている。文章に関しても原作でおなじみの後世の歴史家の視点なども入っていたりと、原作の雰囲気が良く出ている。▼読む際の注意事項など・ラインハルトの改革の陰にスポットを当てた話なのでローエングラム陣営に対するある種のアンチテーゼをぶつけるものとなっている
推薦:ライアン 評価:★ (参考になった:13/ならなかった:3)
推薦作品:(完結)閃の軌跡0 原作:原作:英雄伝説
遂にリィンのリベールでの物語が、空の軌跡が終わりを迎えたので、この区切りに推薦を書かせてもらいます。まず特出すべきは、作者のアルカンシェル様の力量です。文章は読みやすく、キャラ達の行動やセリフに... (全文表示)
遂にリィンのリベールでの物語が、空の軌跡が終わりを迎えたので、この区切りに推薦を書かせてもらいます。まず特出すべきは、作者のアルカンシェル様の力量です。文章は読みやすく、キャラ達の行動やセリフにも違和感は全く見受けられません。それだけでも原作への深い敬意と理解が伺えます。また話のテンポも程良く進んでいき、コメディやバトルシーン、シリアスなど場面ごとの描写も上手く描かれています。そのためコメディシーンではニヤリと笑い、一方のシリアスシーンでは胸をうたれることでしょう。そして何より、読者の予想を超えていくシナリオ構成力には脱帽を禁じ得ません。ストーリーはあらすじの通り、リィンが空の軌跡の舞台となるリベールへやってきたところから物語は始まります。あらすじではネガティブなことが書かれていますが、確かにその一面もあります。特にFCでは少しネタバレになってしまいますが、教授にトラウマを抉られ、剣帝にボロ負けし、重剣に罵倒されたりもします。ですが――太陽のようにリィンの心を照らして前を向かせた、初恋の人であるエステル。人の力は鬼に負けないことを証明してみせた、姉弟子のアネラス。剣の道で大きな壁として立ちはだかる、剣帝レーヴェ。何だかんだでリィンのことをよく見ているオリビエ。(なおネタばらしは想像以上にヒドイ)そして、“少女”との出会い――。その全ての経験と、リベールの仲間達がリィンを大きく成長させていく。そんな忘れられない旅路(物語)です。軌跡シリーズではバトルシーンも欠かせません。その点でも、この作品は原作に劣らない程の手に汗握る熱い戦いを繰り広げます。戦う相手も結社の執行者達だけではなく、碧や閃の登場人物達も現れては、時に戦い、時に共闘したりします。何度も激突することになる剣帝。リィンに訪れる『試練』の数々にリベル=アークで繰り広げられる激闘。TC編での『影の国』だからこそ実現される相手との、正しくドリームマッチな戦い。(なお裏武術大会もあり想像通りにヒドイ)原作に負けず劣らずな名勝負の数々は、間違いなく読み手の胸を熱くさせることでしょう。多くの出会い、数々の戦い。それらを経て、最初にあった『迷い』も『畏れ』も乗り越えて。剣の腕も精神も天井知らずに成長していくリィン・シュバルツァー。アルカンシェル様の紡ぐリィンのリベールでの旅路。そして訪れる帝国の呪いとの戦い。これを機に読んでみては如何でしょうか。~以下は割とネタバレ~そう、あまりの成長ぶりに敵であるはずの結社内でリィンのファンが多数出来て、修羅場を潜り過ぎてSCの後半からはパーティー内でも最強の一人になり、でもまだ《初伝》なので、何かしら仕出かす度に「初伝詐欺」と巷(感想)で話題になり、自分だけの八葉を編み出し、更には奥義級の技すらも生み出し、若干16歳で『理』に手を掛け、『剣聖』の域に足を踏み入れた、八葉一刀流《初伝》、『超帝国人』リィン・シュバルツァーの物語を。あなたは思うだろう、《初伝》とは何なのかを――。そして、一人だけ推定レベル150オーバーがいるような状況で始まる閃Ⅰ。更に入学当初はⅦ組全員とリンクブレイクでスタートする模様。果たしてⅦ組との関係はどうなるのか。そして超帝国人を相手に、帝国解放戦線や貴族連合は生き残れるのか!?(なお、リィン・シュバルツァーは更に成長する模様)
推薦:空之風 評価:★ (参考になった:79/ならなかった:4)
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