・PDF ・感想ページへ (15件) ・アクセス解析 ・お気に入りの追加
推薦作品:鬼太郎誕生:ゲゲゲの異聞奇譚 原作:原作:ゲゲゲの鬼太郎
▼物語これは今からおよそ七十年前のこと。銀行勤めの元兵士、『水木』はある晩、自身を自由人と名乗る男、『神谷』と出会う。出会った屋台で、水木自身が抱える怒りや今の自分が抱いている願いを聞いてもら... (全文表示)
▼物語これは今からおよそ七十年前のこと。銀行勤めの元兵士、『水木』はある晩、自身を自由人と名乗る男、『神谷』と出会う。出会った屋台で、水木自身が抱える怒りや今の自分が抱いている願いを聞いてもらったり、神谷がおせっかい焼きを発揮したりする中、二人は一緒に食べたり飲んだりしてそれなりに仲良くなる。その一晩だけの縁かと思いきや、とある理由から向かう事になった『哭倉村』行きの蒸気機関車の中で再会する二人。神谷にもまたその村へ向かう理由があると判明する中、突然現れた白髪の男、『ゲゲ郎』から二人に死相が出ていると言われる。そう告げた彼にもまた、哭倉村に向かう理由があった。自分の野望のために銀行からの密命をやり遂げるために来た、水木。自分にとって大切な人を探し出して一緒に帰るために来た、ゲゲ郎。自分が信頼できる人から聞いたある噂を確かめるために来た、神谷。動く理由がそれぞれ違う三人が哭倉村で再び出会う時、あやかしに満ちた物語が幕を開ける。これは、後に妖怪絡みの事件を解決する『ゲゲゲの鬼太郎』、彼が生まれる前の、もう一つのお話。▼見所これは、推薦執筆時点で絶賛公開中の映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』の二次創作、『もしもあの村に来たのが水木とゲゲ郎だけでなく、もう1人いたらの物語』です。映画をまだ見ていない人でも見た人でも、歴代鬼太郎を見ていない人も見た人も、支障なく読んでいけるように根本の設定も、映画の登場人物がどんな人なのかちゃんと描写してくれているので、初見の方でも問題なく読めます。ただその性質上、映画の核心に触れる重大な情報も含まれますので、その点はご了承下さい。また、物語の項目から察する通りこの物語の主人公は水木とゲゲ郎だけでなく、映画に出てこない人物『神谷』も主人公の一人です。神谷は物語において、映画とは違う結末に至るために、とても重要な役割を果たします。彼の性質も正体もその役割も読んでいく内に、自然と納得できるようになっています。人間の醜さも、妖怪の恐ろしさも両方ともよく知っている彼がいるからこそ、救いがほとんどなかった映画の世界線と異なり、救われる人達が出てきます。映画を見ている人ならば、それが誰なのか容易く察せるでしょう。胸糞だと聞いて尻込みして映画を見ない選択をした人も安心して読んでいけます。私もその一人です。人である水木と、幽霊族であるゲゲ郎、そして人間と妖怪のどちらの視点からでも物事を見れる神谷。映画とはまた違う関係性と、種族を越えた大人の友情。それが、この物語における最大の見所です。十二月二十二日に最終回を迎えた本作。この拙い推薦を読んで少しでも興味が出てきたら、少しでも読んで頂けると一読者としてとても幸いです。
推薦:aterm 評価:☆ (参考になった:2/ならなかった:0)
推薦作品:悪ならざる敵 原作:原作:僕のヒーローアカデミア
▼ストーリーについていじめ、虐待、不干渉、見て見ぬふり。現代社会が抱える様々な悪性、それらによって生まれてしまった、悪為らざる敵。『僕のヒーローアカデミア』の世界観が持つ、個性至上主義社会という... (全文表示)
▼ストーリーについていじめ、虐待、不干渉、見て見ぬふり。現代社会が抱える様々な悪性、それらによって生まれてしまった、悪為らざる敵。『僕のヒーローアカデミア』の世界観が持つ、個性至上主義社会という特異な社会の中で、社会の悪性によって生まれてしまった少年少女は、互いに大切な者を得て、それ以外の悉くを切り捨てた。悪は自分たちを傷付けてくる敵であり、正義もまた自分たちを絶望へと突き落とした敵である。既に誰の救いの手も届かず、救済はない。もうその時期は過ぎ去った後なのだ。ただ、2人が求めたのは1つだけ、「自由に」。▼描写、文章について物語は終始、オールマイトを語り手として進行する。即ち、オールマイトの過去の経験であり、既に出来事自体は終わってしまった後の話として語られる。その為、語り手であるオールマイトの視点から知っている、または後に知った、或いはそれらの情報からなる推測でしか語られることはない。なので、物語の主軸となる人物たちの内面や感情などは一切語られることはない。あくまで、『オールマイトから見た』彼らの生い立ち、関係性、意思が語られるのみである。上記した通り、語り手による追憶が主となるため、地の文も他者に対して語るような文章となっている。しかし、主体となる語られる物語の時間軸のみは過去で固定されており、現在の語り手の状況などが語られる途中で文中に表されることは一切ない。▼読む際の注意事項など注意事項なので明記しておくが、この物語における主軸となる人物たちに救いはない。また現実の社会問題である、いじめや虐待なども扱う作品ではあるので、苦手であったり許せないという場合は読まないことを強く薦める。
推薦:クーマン 評価:★ (参考になった:43/ならなかった:6)
同原作推薦一覧