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推薦作品:水星の魔女 第16i話「グエルとかめくん」 原作:原作:機動戦士ガンダム 水星の魔女
すこしふしぎ。とてもふしぎ。機動戦士ガンダム 水星の魔女 第15話 「父と子と」より分岐したひとつの世界。亀そっくりのロボット、レプリカメの「かめくん」と、グエルが出逢います。ボーイ・ミーツ・かめくん... (全文表示)
すこしふしぎ。とてもふしぎ。機動戦士ガンダム 水星の魔女 第15話 「父と子と」より分岐したひとつの世界。亀そっくりのロボット、レプリカメの「かめくん」と、グエルが出逢います。ボーイ・ミーツ・かめくん。素晴らしく叙情的なのにどこか乾いたタッチの文章で、かめとヒトの交流が綴られていきます。きっちりと完結させた短編ですらすら読めます。私はどこか夢を見たような、それでいてパズルがきっちり嵌った時のような不思議な読後感を得ました。何より作中のかめくんの愛らしく、いじらしいこと! そしてグエルも……いいえ、ここからは読んでのお楽しみ。両原作を最大限リスペクトした力作です。読んで損は無いと思います。▼読む際の注意事項などクロスオーバーですが、作者様がかめくん側の解説を丁寧になさっているため水星の魔女側の知識があれば問題無く読めます。逆に言うとかめくん側のある程度のネタバレは避けられません。また水星の魔女の2期第15話(父と子と)前提のお話であるため、当然水星の魔女の最新話までのネタバレが多量に含まれます。こちらはなるべく最新話まで視聴された方の閲覧をお勧めいたします。
推薦:有部理生 評価:★ (参考になった:5/ならなかった:0)
推薦作品:ゴジラ vs 大仏 原作:原作:シン・ゴジラ
この夏、異例の大ヒットを記録し日本特撮の新境地を拓いた超大作「シン・ゴジラ」は、日本のゴジラ映画としては1954年公開の「ゴジラ」(いわゆる初代ゴジラ)を除けば、ゴジラはおろか怪獣というものが存在し... (全文表示)
この夏、異例の大ヒットを記録し日本特撮の新境地を拓いた超大作「シン・ゴジラ」は、日本のゴジラ映画としては1954年公開の「ゴジラ」(いわゆる初代ゴジラ)を除けば、ゴジラはおろか怪獣というものが存在しない現実の日本を舞台とした初の作品である。日本とゴジラの戦いを描いた映画といえば1984年公開の「ゴジラ」(いわゆる84ゴジラ)が挙げられるが、それとて1954年のゴジラ上陸を経験した世界が舞台であり、よってゴジラ対策として実力部隊の配備や法整備などがある程度進められていて、いざゴジラが出現したとき、だれもが迷いもなく「ゴジラだ」と認識できているという点で、われわれの世界とは似て非なるある種のファンタジーであるともいえる。しかし、「シン・ゴジラ」ではそれまでゴジラもほかの怪獣も現実には存在しなかった世界へ、突如としてゴジラという虚構が現れる。巨大不明生物との対峙という日本史上どころか人類史上初の危機に1億の日本人が総力戦を挑む、それが「シン・ゴジラ」である。さて、そのゴジラが現れたのが現代ではなく、聖武天皇の治める奈良時代であったなら、という、なんとも突拍子もない設定がなされているのが本作だ。さすがの庵野総監督も予想できなかったろう。武器といえば弓矢や刀剣しかない時代に海より上陸し破壊のかぎりをつくすゴジラに天皇がとった対抗手段、それは、大きな仏像、すなわち大仏を建立し、もってゴジラと戦わせ撃退することであった。ゴジラと大仏、すなわち神と仏の人智を超えた戦いが幕を開ける。ここだけ見るとおバカな作品に見えるかもしれない。しかし、時代背景を汲んだ筆致は見事のひとことであり、読んでいるうち自分が古文書かなにかをひもといているようななにやら怪しい感覚にとりつかれてしまう。しかも、登場人物は皆が皆、その時代で生まれ育った人間であり、二次創作でありがちな、現代から転生や転移や憑依したキャラクターなど存在しないため、ゴジラなる巨大生物を例外なく見たこともないし知識もないのだ。原作のカヨコにあたる登場人物はゴジラの存在と名を知っているが、それはやはりカヨコ同様、彼女の地位と立場によって知りえた情報であって、第4の壁をいたずらに壊してしまうようなことはない。つまり、恐ろしいことに、これだけシュールな設定でありながら、本作にはツッコミ役が存在しないのである。全員がいたって真剣に大仏をゴジラと戦わせようとしている。これが最善の手段だと信じきっている。こんな作品が出てくるなんて「まったく想定外だ」なのである。▼読む際の注意事項など昔々、カムイ伝という漫画に、時代劇であるにもかかわらず「ドル箱」とか「千載一遇のチャンス」とかいう台詞があったが、本作にもときおり横文字が登場する。そういえば水戸黄門でも「八兵衛、またサボっとるな!」と黄門様が怒鳴っていた。カムイ伝や水戸黄門の場合は単なるミスであろうが、本作ではだいぶ恣意的である。そこはそれとご容赦いただきたい。だって、どう見てもエヴァがモデルなんだから、発進するときは「リフト・オフ!」って言いたいだろう。そういう作品である。
推薦:蚕豆かいこ 評価:★ (参考になった:134/ならなかった:9)
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