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推薦作品:水先案内録カイジ:ARIA×賭博黙示録カイジ 原作:原作:ARIA
『沼』攻略後、打ち上げの焼肉屋で酔いつぶれたカイジ。気が付けば目の前には石畳の町並み、自分を見つめる金髪の美女(アリシア・フローレンス)と謎の白い生物(アリア社長)。あまりの絵面にこの時点で既に... (全文表示)
『沼』攻略後、打ち上げの焼肉屋で酔いつぶれたカイジ。気が付けば目の前には石畳の町並み、自分を見つめる金髪の美女(アリシア・フローレンス)と謎の白い生物(アリア社長)。あまりの絵面にこの時点で既におなかいっぱいな人も居るかもしれませんが、このSSはカイジのクロスSSにありがちなクロス先の作品がざわ・・ざわ・・な世界観に飲み込まれてギャグになったり殺伐とした雰囲気になったりといった類の作品ではありません。駄目人間カイジがネオ・ヴェネツィアで生活を送るという日常物、しかも短編ネタ作品などでなく長編作品という仮に思いついても誰もやらないような構想を真面目に書いたのがこの作品です。また時系列的に言うとカイジのネオ・ヴェネツィア入りが灯里のARIAカンパニー入社前になっているので今後原作に忠実に物語が進んでいくとしたらジャンル的には再構成物とも考えられるかもしれません。日常物でARIAのクロスと言ってもカイジが浄化されて良い人に成りすぎてもはや別人なんてことも無く、博打以外の事では基本スタイルの要領の悪さや小市民的発想、いい歳をして照れた時や言い出しにくい事がある際のモジモジした動きなどここで見られるカイジは原作における駄目人間カイジのコメディ的側面そのままの姿です。かと言ってARIA勢の善人っぷりもそのままで、穏やかに送られる日常と共にカイジ視点で見たネオ・ヴェネツィアの生活、またはネオ・ヴェネツィアの住人から見たカイジ、お互いの作品に忠実な何気ない描写が合わさって整合性をとっていくたびに高度なシュールさを生み出していくというかなりの怪作です。随所随所で現れるカイジ的解説(CV:立木文彦)もそれを助長していると言えるでしょう。アリシアさんを天使と信奉するカイジ、藍華に往来で声をかけられ気恥ずかしさでシカトを決め込むカイジ、晃の目の鋭さに威圧されて愛想笑いするカイジなどそれぞれの原作に詳しければ詳しいほど妙なマッチングが癖になる極めてユニークなSSを皆様も読んでみてはいかがでしょうか?▼読む際の注意事項など異色のクロスなのでARIAファンの中にはARIAの世界観が汚された、こんなクロス自体許せない!などと思う方も居るかもしれません。そういう方は読まないほうが良いでしょう。
推薦:blackberry 評価:★ (参考になった:97/ならなかった:6)
推薦作品:星と少年 原作:原作:Infinite Dendrogram
この作品には、原作である<Infinite Dendrogram>に登場するキャラクターが、ほぼ出てこない。 しかし、原作の世界観や雰囲気が完璧に再現され、それゆえに「VRMMOでの異... (全文表示)
この作品には、原作である<Infinite Dendrogram>に登場するキャラクターが、ほぼ出てこない。 しかし、原作の世界観や雰囲気が完璧に再現され、それゆえに「VRMMOでの異能バトル」という原作の趣旨が完全に、もしかすると原作以上に再現されているかもしれない。 「原作と矛盾した設定を出さない」というレギュレーションに沿っているからこそ、非常に純度の高い異能バトルが完成されている。これは、原作がある二次創作にしか出せない魅力である。 オリジナル『エンブリオ』、オリジナル『職業』、オリジナル『特典武具』、オリジナル『UBM』。全て、原作で説明された法則に違和感なく馴染むものであり、チートなどでは決してない。作品の根幹に絡むアイテムである『劣級エンブリオ』ですら、原作に登場する法則で説明がつくものである。 三人称である故に、キャラクターの感情を一歩離れた視点で描写されている。キャラクターと読者との距離の取らせ方が良い意味で非常に狡猾で、それはキャラクター造形にも及んでいる。 主人公の一人、ブラーはMMO廃人で、リア充を見下すロクデナシである。ゲーム内でトップに成り上がりたいという想いのために、NPCを躊躇なく殺す。いやに生々しく、現実にいそうなキャラクター造形であるが、読者はキャラにも文章にも強い嫌悪感を抱くことなく物語に没入できる。それは、肯定も否定もしない三人称からの心理描写が非常に精緻で、「ああ、現実にいたらヤな奴だ」と、軽く思わせる程度にとどめてしまう。しかし、例えば悲劇に対する被害者の心情は、三人称でありつつもキャラクターと距離を若干詰め、「可哀想に」という印象を与えさせる。 また、前述したオリジナル設定も非常にオトコノコ心をそそる魅力的なものだ。中二病患者の妄想とは一線を画する緻密で、ゲームバランスを崩さず、かつロマンを理解する固有名詞と能力の内容をしている。 小説家になろうもしくは書籍でデンドロ本編を読み終わり、同じ雰囲気でもっと異能バトル要素を煮詰めたのが読みたい!と思った方は、是非最初にこの作品を読んでいただきたい。▼読む際の注意事項など 三人称であり、二章以降スポットライトが当たるキャラクターが移り変わるため、三人称群像劇を読みなれていない人は少し集中力を要するかもしれない。
推薦:砂漠谷 評価:☆ (参考になった:3/ならなかった:0)
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