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推薦作品:セミダイブ! 原作:オリジナル:SF/日常
▼長い、三行でVRとかXRとか、手に届きかけてる近未来ってわくわくするよね!それが心情描写つきならなおさらだよね!!時代設定がしっかりしてたらもうたまんないよね!!!▼文章、ストーリー、描... (全文表示)
▼長い、三行でVRとかXRとか、手に届きかけてる近未来ってわくわくするよね!それが心情描写つきならなおさらだよね!!時代設定がしっかりしてたらもうたまんないよね!!!▼文章、ストーリー、描写などについての紹介などXRデバイスが人口に膾炙しているぐらいの近未来を想像してみてほしい。メガネ越しに映るホログラフィックな情報、肉眼よりもわかりやすい視界、など映画で見たようなシーンが頭に浮かぶ。近年現実味を帯びてきたそのような世界について、もっと深く考察してみたらどうなるだろうか。その年代に至るまでにどのようなことが起き、どういった背景のもとで技術が成立し、どんな文化が育まれているのだろうか。この作品がそのような要素をしっかり埋め立てて作られているというのは、同作者の作品を既読の方ならお察しいただけるかもしれない。そのうえでこの作品においては、近未来世界における一人の大学新入生の生活が、その内面も含めて写実的に描き出されている。しかし、ただの新入生ではない。VR世界に半身を置き、華胥の国に遊んでいるかのような高校時代を過ごした少年である。大学入学を機に、そんな主人公がぎこちないながらも新たな人間関係を築いていくさまは、刺さる人には刺さるものがあるだろう。といってもタイトルやあらすじからわかる通り、ただ人間模様を描くのではなく、仮想現実との連関を主題にした内容になっている。そこがこの作品の醍醐味だと思う。だれしもが抱いたことのあるであろう、電子が作り出す世界へのときめきを、真実味をもって具現化した、そんな小説である。ぜひご一読いただきたい。▼読む際の注意事項など五月病に罹患している一回生や、学生の時分に良い思い出がない方にとっては少々読むに耐えない眩しさがあるかもしれない……とはいえ、じっと我慢して読み進めれば、世界観に引き込まれて気にならなくなるかもしれない。
推薦:C6N2 評価:☆ (参考になった:0/ならなかった:3)
推薦作品:再上映 原作:原作:ウマ娘プリティーダービー
閲覧数や評価数の面ではあまり目立っていませんが、佳作と言って差し支えない作品だと思います。「頑張り賞」的な意味の佳作ではなく、たとえ大作とまでは言えなくとも文学として確かな価値を有している、という意... (全文表示)
閲覧数や評価数の面ではあまり目立っていませんが、佳作と言って差し支えない作品だと思います。「頑張り賞」的な意味の佳作ではなく、たとえ大作とまでは言えなくとも文学として確かな価値を有している、という意味での佳作です。文章をぱっと見て受ける印象に騙されず、ウマ娘SSというよりは、深い洞察に基づいた精緻な構造のもと、文学的なアプローチで読むべきです。したがって以下の推薦の内容も「文学」に対して行う水準のものにしています。内容は、ウマ娘のメジロアルダンに焦点を当てた短編で、タイトル通り「再上映」をテーマにしています。私としては、この「再上映」というテーマの選び方がまず素晴らしいと思います。「ウマ娘」というコンテンツは、過去の競走馬たちの史実をスポ根風に再構築・解釈したものであって、史実の「再上映」ということができます。作者の言を借りれば、「かつて存在した名馬達の姿を、愛らしい女の子の姿というポップなアイコンに置き換えることによって、より世の中に広く、システマティックに浸透するよう加工し、『再上映』する」という言い方になります。このテーマを強調するために、デ〇ズニーの映画が作中で効果的に使用されています。デ〇ズニーは物語論や文化人類学の知見を活用してシステマティックにストーリーを構築することで知られており、この背景が、史実を「システマティックに浸透するよう加工」するというウマ娘コンテンツの在り方とリンクしていて、作品のテーマを効果的に演出しています。しかし公式が史実に行う「加工」は、必ずしもメジロアルダンに救いをもたらさないというのが現状です。例えば「シンデレラグレイ」におけるメジロアルダンについて、作者は感想への返信で以下のように述べます。「善戦の末、その回の主要キャラクターに惜敗する姿ばかりが描かれています。メインキャラクター達のように苦悩する姿もあまり描かれず、そこにはトレーナーの姿もない」作者はこの状況に対処しようと、作品全体でメジロアルダンを救おうと試みています。メジロアルダンとトレーナーはデ〇ズニーの過去作品の再上映を共に鑑賞し、アルダンの人生が過去の出来事の繰り返しであるかのような「再上映」であっても、作中の言葉で言えば「模倣され尽くした、手垢に塗れた姿」であろうとも、その先にアルダンだけの固有性が宿ることを信じるようになります。そして作者はその固有性を「ロビーの常夜灯」という比喩に帰着させます。投稿作品を見る限り、本作品の作者の表現したいことは、細やかな気持ちの機微や抽象的なテーマに主軸が置かれていることが多いので、ある程度姿勢を正して丁寧に(純文学へ接するときのように)作品に向き合い、内容を解釈することが必要とされる印象です。そして丁寧に読み取っていくと、作品内にちりばめられた小道具、比喩、象徴、そしてストーリー全体が、作品のテーマを効果的に演出するべく最適な配置を目指しているのを感じ取れるでしょう。喩えるならこの作品は、「メジロアルダンを『再上映』から救い出す」、「作品のテーマを伝える」という機能を果たすため最適に設計された、7000文字以下の洗練された工学的構造物として存在します。作者は既に10を超えるメジロアルダンの短編を投稿されていますが、現状私はこの作品が作者の最高峰だと信じ、ここに初めての推薦をするものです。▼読む際の注意事項など細かい点にはなってしまいますが、平均的な文章より三点リーダーが多い印象を受けました。人によってはそのあたりがくどく感じることもあるかもしれません。
推薦:daidains 評価:★ (参考になった:5/ならなかった:3)
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